50MHz用モービル・ホイップで
21MHzにQRV出来る!
              予算1,500円


全体の写真  21MHzのアンテナは1/4波長で3m以上有ります。一般にモービル運用のアンテナは1〜2mの物が売られています。
 この程度のアンテナなら、別周波数の物を既に色々と持っている人も多いはずです。例えば2mとか430(ヨンサンマル)用です。

 以前、[]50MHzのモービル・ホイップ]を作りました。これを利用して21MHzのアンテナを作る事にしました。
 方式は後付け方式で、コイルを根元にいれる「ベース・ローディング」式です。

 HFの電波から見ると「VHFやUHFのアンテナは単なる線」と見なせるので、長めの物なら何でも使えます。手持ちのアンテナを利用して下さい。

動 作

 HF帯のアンテナをモービルで使うには、一般に1/4波長のアンテナを使います。しかし、かなり長くなるので(21MHzで3.5m) そのまま車に付けて走るのは危険で無理です。
 そこで、一般にコイルを入れ適当に短くして使う方法が取られています。このコイルは物理的に短い物を「電気的に長くする」方法です。

 短くする分ここでエネルギーが消費されて発熱します。ポイントは出来るだけ加熱しないよう設計したり、発生した熱を逃がす方法が必要です。
 ベース・ローディング式アンテナはコイルに多くの電流が流れるので、加熱し易いのが欠点です。でも後付け式のアンテナは構造が簡単で、他の方式に比べ作り易いという特徴があります。

下調べ

マッチングの回路図
 外観的には図のようにコイルを入れます。ホイップアンテナはインピーダンスが低く(約38Ω)なっています。これを50Ωにステップアップするマッチング回路が必要です。

A.まずコイルにどの程度のL成分が必要かを調べます。
 コア入りのコイル(ハムバンド用コイル)を使って、21MHzに合うコイルの容量を測ります。
 これはSWRを調べると解ります。デイップ点の一番低い所が共振周波数なのでコアを動かし21MHzに合わせます(この時パワーは最低にしないと加熱して破損します)。
 手持ちの50MHzのアンテナでは、[ 3.5μH ]で(デイップメーターで調べた)この時のSWRは[2.5]となり、インピーダンスが約22Ωでした。

B.次ぎに同軸ケーブルの50Ωに合わせる、マッチング回路を入れます。
 図のようにLCを入れる方式ですが、Lは短縮コイルと合成するので、見掛上コンデンサーの追加のみとなります。
 20Ω程度だと、Lは少ないので[A]で調べた物より少し多くなる程度で合うはずです。

部品と製作

本体の写真
 ケースは手持ちのプラスチック[ 55x82x22 ]を使いました。これにMR・MP5を付け、中にコイルとコンデンサーを内蔵します。
 プラグの方は直接付けられないので、図のようにガラス基板を補助材として利用してケースに取り付けます。
ケースに差し込んでから、コネクターの先に銅線を半田付けして基板に付けます (最後に接着剤で更に固定化します)。

 使うアンテナは軽い物でないと、プラスチックのケースが持ちません。補強するか出来るだけ軽い物を使って下さい。
 コイルはコア付きではQRP以外、不安ですから、釣竿を切った物(グラスファイバー)に銅線を巻いて空芯コイルを作り交換します。調整の為に数回多めに巻いておきます。(デイップメーターが必要です)
コネクター部分
 銅線は発熱が予想されるのでエナメル線(PEW)を使います。無ければウレタン線(UEW)でも使えます。
 コンデンサーは予想より少し多めになって、最終的に190PF(120+68PF)となりました、10Wならセラミック、これ以上でマイカコンデンサーを使います。

調 整

SWR図
 基本は目的の周波数でSWRを1にすれば良いのです。出来れば回りに何も無い所(河原の土手など)で調整します。
 組み上がった物は共振周波数を21.2MHz(SSB用)に合わせました。今回作った物は51回巻きで、コイル1回当たり[0.22MHz]変化しました、細かい調整は最終回の巻きスペースを変えて調整します。

 SWRはコンデンサーの容量を変化(追加)させて合わせます。こちらは周波数に敏感では有りませんので共振点合わせが最後になります。
 出来上がったら、コイルにエポキシ樹脂の接着剤を付けます。これはコイルの固定と放熱に役立っています。

完 成

ケース内の写真
 出来上がった物はSWR表のようにFBな特性になりました。
 早速Eスポが出ていたので、6.8エリアの局とQSO。さらに1.2.3の局とスキャツターぎみでQSO出来ました。この時KH2の移動局がいたのでCALLすると57x57でQSO出来ました。

 Sメーターの振れはアンテナが短い為か思ったほど振れませんが、ローカルが持っていたアンテナ(メーカー製)と比較した所、あまり差が無いので十分使えるアンテナに仕上りました。
 気になっていた50Wでの送信は、指で触れてもコイルは「ほんのりと温まる程度」でわずかな熱が出る程度でした。
 アダプターが実戦でも使えることが判り、これからが楽しみです。
FB DX!
[ 部 品 表 ]
品目詳 細数量
ケースプラスチック55x82x221個
プラグMP−51個
ジヤックMR1個
銅線0.6mmPEW(エナメル線)2m
コンデンサー120PF(要調整)1個
コンデンサー68PF(要調整)1個
パイプグラスハァイバー(釣竿一部)50cm
ビスナット 3x10mm8組
その他ガラス基板 25x25mm1個
その他エポキシ系接着剤-

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