21,28MHz 短縮ダイポールアンテナ@(ワイヤー式)


 たまには「21MHzや28MHz帯に出たい!」と思ったり、ちょっとのぞいて見よう!、と考えている方にぴったりなダイポールアンテナを紹介いたします。

 少ない部品で出来ているので簡単ですから今度のお休みに作って見ませんか。
 このワイヤー式アンテナDPを製作後移動用に「パイプ式」も作っていますのでご覧下さい。

ワイヤーの写真

二つの周波数に対応

 誰でも知っているのがダイポールアンテナ、このアンテナに少し工夫をすると、他のバンドにQRV出来ます。

☆写真は組み上がった所を撮った物です(空中に張ったものは写真に良く撮れません、線が細くなって消えてしまうのです)。

 「ダイポールアンテナは基本的に1/2波長以外の周波数ではマッチングが取れません」ただし、奇数倍の周波数に対しては完全ではありませんが電波を発射出来ます。

 良く知られて使われる周波数としては7MHz帯と21MHz帯があります。
 でも電波が出ている程度で「高率良く電波が出ている」とは言えません、この7,21MHzの関係は別な期会に紹介したいと思います。

電圧分布図

二つの周波数を乗せるには!

 奇数倍の関係で無い21MHz帯と28MHz帯の場合はどうしたら良いのでしょうか。

 まず1/4波長のアンテナを考えて見ます、先端はインピーダンス(抵抗分)が高くなっていますが給電部は低くなっています。

 28MHzの1/4波長は2.55m、21MHzは3.43mですから、3.43mのアンテナに28MHzを乗せてもインピーダンスが高く(電圧分布図の赤点)てマッチングは取れません。

 インピーダンスを下げるにはアンテナの長さを規定の長さ、つまり1/4波長にする必要があります。

共振回路を使うのだ

 3.43m のアンテナに 28MHzを乗せるには「エレメントを 2.55mに切れば良い」という考えが浮かびます、実際にはLC回路を使い電気的に切ります。

 共振回路はそれ自身高いインピーダンスを持っていますから、これで前後を断ち切ることが出来るのです。
 一方21MHzの信号は28MHzの共振回路は単なるコイルとコンデンサーなので通れます、コイルは短縮コイルとして動作しますから全体としては長さが少し短くなります。

 この様に共振回路を使うと二つのバンドを一本のアンテナに乗せることが出来ます。
 この種類のアンテナは市販のアンテナとして数多く見うけます。

設計と製作

寸法図

 アンテナの長さは短縮率を加味しますが一応97%で設定します。
 設置の高さによって、地面の影響を受けるのでアンテナの長さは変わります、これを補正するのはアンテナを少し短くして補助線(豚のしっぽ)を付けて長さを変更するのが一般的手法です。

 共振回路はLCで構成され、ここで使ったコンデンサーは10Wでは380V、50Wで860Vの耐圧が必要です、今回コンデンサーは同軸ケーブルを(1cm=1PF)代わりに使いました。

 コイルは内径13mmの水道管(VP-13)をボビンにし、 0.8mmのUEW線(ウレタン線)を16回巻いて作ります。
 3mm のビス、ラグ板を使って止めこれに半田付けをします、銅線はかなり左右から力が加わるのでビス、ナットでしっかり止めます。

コイルの図

 出来上がったコイルは3.8μHになりました、同軸ケーブルを10cm付けて共振点をデイップメーターを使い[28.7MHz]に切り合わせます、この時他の線を付けないで測定します(付けるとデイッブ点が分からなくなります)。

 コイルが出来て周波数が合ったら、防水の為にお風呂の水漏れ止めかエポキシ樹脂系接着剤で保護します。
 この時周波数が変わりますから接着剤込みで周波数合わせをする必要があります(乾燥後に調整すること)。

 ダイポールアンテナですからバランが必要ですこれは市販品、自作を問わず必ず入れて下さい。(アンテナ本来の動作をさせる為)
 ソーターバラン、3線式バラン、リニアバラン等、何でも結構です。

大ことな調整

SWR図

 28MHz の方は補助線(ヒゲ)をカットしながら希望周波数(28.6MHzが標準)に合わせます、これはSWR計でSWRが下がるように長さを調整をします。

 21MHz は外側の線の長さで決めます、始めは少し長めにして長過ぎたら折り曲げておくと後で再調整が出来て便利です。

SWRは図の様に下がっていますが2バンドで下がるのは少ないと思います、共振点(SWRが下がっている所)でSWRが[1.5]以下になれば合格としましよう。

 地上高によってかなり変わりますから実際に使う高さで調整します。
 一般的に設置を高くすると共振周波数が高くなるので、低い所で調整すると長さが不足してあわてることがあります。

出来上がり

パイプ式A

 基本的にダイポールアンテナですから最低1/4波長以上の高さ(4m)にしますが出来るだけ高く設置して運用して下さい。
 高さ10m以上に上げれば10Wでも、国内や海外ヘ飛んでくれます、この程度の高さだと数mの差はかなり飛びに影響します。

 なを、コイルの防水はしっかり処置しないと雨の時SWRが上がって送信出来なくなりますので注意して下さい。

 FB DX!

[続けてアルミパイプで作ったパイプ式(短縮ダイポールアンテナA)もご覧下さい。]


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