電池の内部抵抗と充電


 電池の良否を決めるのに「電池電圧」の他「内部抵抗」も重要です。他にどれだけ使えるか「動作電流特性」や「自己放電率」などがあります。

 電池が持っている内部抵抗は大きくなると必要量の電流を取り出せなくなります。電流を使おうとすると、内部抵抗によって電圧が低下しますから、セットによっては作動しなくなります。
 長時間必要な電圧を維持し、電流を使える電池が望ましいわけです。一般に電池の内部抵抗は低い程良いとされています。

単4型電池を調べる

 良く使われる電池(単4型)の内部抵抗を調べると、およそ次の様になりました。
 NI-MH(ニッケル水素電池)では0.2Ω、NI-Cd(ニッケルカドミウム電池)で0.5-0.6Ω、一般的なアルカリ電池は0.5-0.6Ωです。

 一般に使用すると電圧は下がり、内部抵抗が上昇します。
 逆に、充電すると電圧は上がり、内部抵抗は減少します。

 セットや電池の種類にもよりますが、内部抵抗が「1Ωを越えて来るとそろそろ交換を考える」頃でしょうか。


測定方法

実験図  図をご覧下さい
A.測定は電池の電圧を測定します。この時電圧計のインピーダンスが高いと内部抵抗に影響されず電池の電圧をそのまま測る(E1)ことが出来ます。

B.負荷を加えると内部抵抗(r)が影響を受け電圧が低下します。この時の電圧をE2とします。

C.この2つの電圧と負荷抵抗(R)から内部抵抗(r)を求めます。

 E=(r+R)I・・・・・@

Eは電池電圧 rは内部抵抗 Rは外部の負荷(測定用の抵抗:100Ω) Iは流れる電流 Vは電圧計、デジタルテスター

r=(E1−E2)/(E2/R)・・・・・A



サンプル A(単4アルカリ電池:使用中の物)

 電圧 E1=1.320V (無負荷)

SWオンで  電圧 E2=1.312V となった。この時の内部抵抗(r)は0.62Ωとなった。
(電圧は4桁程度読まないと精度が保てない。)

 測定中、電流が流れるので内部抵抗が高い場合、表示が変わり測り難い。この場合電流を減らすなどの工夫をする。またはスイッチON後5秒ぐらいして少し安定した値を読み取ります。

 100Ωを負荷としましたが、これが適当かは不明です。内部抵抗の低いNI-MHやNI-Cd電池は測定し難いので33Ωを使いました。
 006P型は1KΩを使いました。

 Rによって流れる電流が変わり、内部抵抗も変わります。比較する為同じ負荷を使うようにします。例えば単4型なら100Ωをいつも使います。


測定結果

 手持ちの電池を調べて見ました。

電池の種類電池の名称無負荷(E1)負荷(E2)負荷抵抗(R)内部抵抗(r)
NI-MH 単4GP10001.275V1.267V33Ω(33.3Ω)0.21Ω
ReCyko1.309V1.301V0.20Ω
NI-Cd 単4玩具用A1.360V1.338V0.54Ω
玩具用B1.359V1.337V0.54Ω
Aラジオに使用1.306V1.277V0.74Ω
Bラジオに使用1.343V1.317V0.65Ω
アルカリ単3*A1.479V1.4181.43Ω
B1.478V1.434V1.21Ω
ダイソー充電前1.132V1.08V100Ω(101Ω)4.8Ω
ダイソー充電後1.508V1.495V0.88Ω
長持ちパワー A1.585V1.565V1.29Ω
長持ちパワー B1.523V1.505V1.20Ω

[*=アルカリ単3は全て古い電池です。]

測定結果 006P型

電池の種類電池の名称無負荷(E1)負荷(E2)負荷抵抗(R)内部抵抗(r)
NI-MHGP1509.22V9.19V1KΩ3.26Ω
GP1708.81V8.76V5.70Ω
GP2008.84V8.81V3.40Ω
GP300A7.72V7.70V2.59Ω
GP300B8.03V8.02V1.24Ω 充電後
マンガン0605 ??9.46V9.08V41.8Ω
2008-69.64V9.30V36.5Ω
2009/3/17 菊地

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