10W 6m用リニアアンプ

6m SSB用リニアアンプ
13Vで10−15W/15V近くで20W前後


全体の写真

【 はじめに 】

 このアンプは0.5-1W出力のリグから10W出力を出す為に製作した物で、自作リグの増幅に適しています。
 ftの高いトランジスター(2SC1729)を使い、6mでも十分増幅能力のある状態で使っている。その分発振し易いという恐れはありますが、設計をしっかり守れば平気です!
 もし製作しようと思う方は以下を参考にして下さい。



☆ 全体の回路は簡単なCRの組み合わせである。

LPFの図

 50−51MHzまで増幅出来れば良い。これは入出力を共振させているのでバンド幅はあまり取れません。

 バンド幅を広げるのにQを下げるという手もありますが知れているので、用途は50MHzSSBオンリーとしています。

 出力のローパスフィルター(LPF)は5段取っていますが、ここは図のように4段で十分です(出力マッチング回路にLC共振を使っているから)。作った物はDATA取りに5段の物を作ったのでそのまま使っています。

 以前メーカー製のリグを見た時5段構成だったのでまねをして作りました。LPFの良い点は通過ロスが少ない点です、従ってQの低いコイルでも使え無銭家にとって最適なフイルターです。

 スタンバイのコントロール信号はリグから送信時に+が加わるので、これ検出してリレーを作動させています。

 回路的には図の様に簡単ですが、銅板の加工に手間取るかもしれない。
 使ったトランジスターは2SC1729で10Wは軽く出ます、おまけにftが高いので6mではドライブ電力は少なくて良いのです。
 他のトランジスターは単なるスイッチなので2SC1815・2SA1020と手持ちの物を使いました。

回路図

☆ 組み立てはランド式

 組み立てはプリント基板を8mm角に切ったものを、ベタ基板に貼り付けてそれに半田付けして行きます。出力部分とフイルターは0.3mmの銅板で囲いシールドとしました。

 無くても発振はしないと思うのですが念の為にシールド板を使った(フイルターはむき出しなので必要)。

 放熱は50*115*5mmのアルミ板にアンプ部分を乗せトランジスターを放熱させている。その上で熱がケースに逃げるようにしている、これで10W出力でも熱くなる事も無く使えています。

 20W連続出力の場合放熱用としてフイン又はファンを付ける必要があるので各自工夫してくれ!20W出すには15V程度の電圧が必要かもしれない。

☆ 調 整

入力部分の写真

 予めLPFは「電力10W出力が通過するか!」を確認しておくと調整が早く終わる。パワーが出ない場合、回路定数(コンデンサーの容量)が違っている事が多い。

 調整中は必ずダミーロード又はアンテナを接続する事(保護回路を入れてないので)忘れるとトランジスターが極端に加熱する、気が付かないとトランジスターはまもなく破壊する。
 ケースに触って、さわれない程熱く成っている時は異常!
 特に夏場日光に当たっている場合、何もしなくても触れない程温度が上がるので使用は注意が必要です。

 アイドリング電流は(信号無しで流れる電流)は50-100mAとする。少し多めの方が音質はFB、反面発熱するので80mA前後に抵抗で合わせます。
 始めは100Ωからスタート、これにパラにどんどん追加して行けば(例えば200Ωの抵抗)電流が増加する。

 基本は「ベース電流の10倍をダイオードに流す」といわれているが、これだとパワーの出が悪いのでアマチュア規格ではダイオードに電気的にパラに抵抗を入れるとFBです。
 ただ、アイドル電流のコントロールが悪くなるのでこの点は放熱板に吸収してもらう(発熱状態でアイドル電流が数倍に増加するが!)と良い(このセットでは使っていない)。

 トリマーは信号を加えてパワー最大になるように回せばOK!1Wドライブで20W程度出るのでパワーが出すぎる場合は、入力側にアッテネーターを入れ、パワーを押さえて下さい。

 異常発振を起して無いか、モニターで聞いて調べるか、送信音を誰かに聞いてもらい確認しておく必要がある。

 運悪く「声がガサガサする」など発振している場合は「コンデンサーが外れていないか、回路の配線ミスが無いか」などを確認する。

 パワーが出ない場合「TRが悪くなってしまった」可能性が多いので製作途中では電圧を加えない事、悪くなる時はスイッチを入れた一瞬でトランジスタがいかれる事が多い。

 安全の為電源コードに5A(20Wで7A)のヒューズを入れて置こう、これで多少のミスは防げる。

☆ 完 成

ケースの背面

 無事パワーが出たら「おめでとう!」、以上で完成したのでケースに入れて出来上がり。

 当方はこのアンプを自作のリグに接続してたまに使っている。また手持ちのFT−690にも使う事がある(この時ドライブは1Wとしている)。



[トランジスターのDATA]


内部の写真

 このセットは1990年9月10日に作りました。その後少し修正し99/01/28にFile化して、2009/11/02にhtmlにしています。
 当所パソコンも低速通信でやっていましたのでfileを大きくすると、画像が出て来るまでに時間が掛かりました。そこで当時は極端に画質を落として制作していました。
 最近は通信速度も上がっているので内部の写真(1.4MB)を撮り直しました、ご覧下さい。

 LPFのコイルは10回巻きと9回巻きが見えると思いますが、これは実験でわざと誤差を加えています。多少いい加減に作っても初期の動作が得られるかを調べる為でした。
 結果は予定通り、巻き数が1回程度なら無事動作しています。

 TVコアに使っている銅線は、0.3mmぐらいの線を3本よって使っています。Qが低く電流が流れるので銅損を減らす為です。メーカー製はここに銅パイプ等を使って対応しています。
[2012/3/21 追加する]


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