このトランバーは1988年夏に作って、暮れに雑誌の方へ載せていただきました。
その後89年と90年に多少の改良を加えて現在に至っています。10mFMでの運用は最近少ないですが、たまに出して運用している現用のリグです、正確な記録はありませんが500局以上はQSOしているはずです。
貴重(?)な栃木県安蘇郡サービスなんてしたこともありました(2010現在は佐野市に吸収されている)。既に10年以上経過しているので回路図などは省略し、簡単な紹介程度にしておきます、詳しく知りたい方は同雑誌を図書館などで見て下さい。
《》周波数関係《》
周波数は手持ちのスイッチを使ったので12チヤンネルMAXとなりました。
また、中古PLL基板(金石舎製−秋月電子から購入)を利用するのでIFは良く使ってる10.7MHzでなく9.790MHzにしています、これで内部の改造が小幅で済んでいます。
ただ第二IFに落とすのにあまり出回ってない周波数の水晶が必要で注文して作らなければ成りません、これが欠点でしょうか。第二IF以下はおなじみの455MHzですから一般的なフイルターや発振用水晶が使えます。
送受信周波数
29.3-29.06MHz
第一局部発振
39.06−38.85MHz
第一IF
9.790MHz
第二局部発振
10.245MHz
第二IF
455MHz
《》回路構成《》
受信部は簡単なRF1段でFM検波はモトロラー社のMC3361Pを使っています。
通過帯域は15KHzのフイルターを使っていました。
私が作った回路では少しスケルチの利きが悪いのですが、私自身スケルチは使わないので使うには問題無かった。
スピーカーからの音も適当で使うのになんら問題無く、私としては上出来と思っています。
送信部はPLL部のVCOに音声を混ぜて直接変調する物です、この方式で今まで誰からも「声がおかしい」なんてレポートは一度も受けてませんのでこの方式で問題は無いようです。
パワーアンプは終段C級動作で、2SC1969を使った一般的な物に定K型ローパスフイルター4段を付けています。最終的に12.5Vでパワーが9W、15Vで11W程度出ます。
第二高調波はまあまあ(−50dB以上)押さえられていますが近接スプリアスが多少(29.37MHzで−35dB)出ています、これはミキシングの関係で「発振周波数の高調波がいたずらしている」のがわかっています、周波数もハムバンド内に入っているので深い追求はしませんでした。
その後、発振回路にLCのコイルを追加して近接スプリアスも-40dB以下に押さえています。10mはノイズが多いので電源から入って来るノイズカット用のフイルターを付けました。
リグ内部の写真(jpg 13Kb)で全体の組み立てをご覧下さい、ケース上部に送信関係を付けています。《》その後の改善《》
雑誌に発表後次のような点を改善しています。
1.出力トランスの実験の為TVメガネコアを使った、これで発熱は少し改善された。
2.入力トランスは4:1から5:1のトランスにした。
3.ミュートを加える為にLM-386のFピンに送信+を抵抗を入れて加えた。
4.メイン(CALL)SWにLEDを付けてCQを出す時に29.300MHzとわかるようにした。
5.チヤンネルのつまみをメカ的に削ったところ、かなり使い易くなった。
6.受信感度を上げる為にプリアンプを追加した、3SK121だ(FCZ[?]6m用を改造)。
7.前記のように、発振回路にLCのコイルを追加して近接スプリアスを改善した。《》今後の問題点《》
1.プリアンプを追加したので混変調に弱くなり、強い局がバンド内に出るとわかるようになった。
QSO中でもローカルがCQを出すとわかるので逆に便利な面もある。2.感度が上がって弱い局が聞こえるのはFBですが呼んでも応答が無い事が何度もあった。QROしたいと部品を集めたのですが10mのアクティビティが低下してStop状態、既に何年も過ぎてしまった。
Eスポの場合モービルホイップでも9W出ればけっこう飛んで楽しめます、従って延期々になってしまったのです・・・・HI。固定で使うリニアアンプがあるので必要な時はそれを使つている。これが悪かったみたいですね無ければ直ぐ作ったでしょう。
[ ひとり言 ]
ここで使った部品で現在手に入らないのは中古PLL基板です、秋月電子では雑誌が出てから半年後に聞いた所「PLL基板は全部売れた」といってました。
私が始めて購入した時は山と詰まれていたのですがだんだんと少なくなり雑誌が出る頃は値段も下がって、たしか2個で500円程度かなー。
私が購入した時は1個700円程度だったと思います、何台か作るつもりで購入してますが・・・・。
「少し待てば良かったなー」でも、だいぶ古い話です。(99/02/04 html 変換 2010/2 少し修正)
PLL DATA に付いて
このセットでは周波数コントロールを金石舎のPLLモジュールを使って、利用しています。これに付いて最近資料をコピーしましたので見えるようにしました。
利用する場合、参考にして下さい。[2012/2/28]