21MHzのアンテナを7MHzで使う、アダプタ


全体の写真  モービルホイップで、少し長いアンテナは2m程度の物が良く売られています。
 この程度の長さがあれば、7MHz用のアンテナとして十分使えそうです。
 以前2.5m長の「21MHzホイップアンテナ」を作りましたので、これをベースに7MHzのアンテナにするアダプタ(一種のアンテナカプラー)を作りました。

 2m以上の長さがあれば7MHz用のアンテナになるので、2m・6mや10m用のアンテナをお持ちの方は、それを使って下さい。作り方は同じです。
 市販の物は重量があって走りながら使うには、かなりしっかり作らないといけませんが、止まって運用するのであれば力が加わらないので、簡単なプラスチック製の箱が使えます。ぜひチャレンジして下さい。

アンテナの構造

全体の写真
 2m程度と長いアンテナ(途中にコイル等が入っていてもOK)の根元に、「コイル」を入れて短縮アンテナとして作動させます。これは「ベースローディング式」と呼ばれ、市販品のアンテナとしては良く見かけます。

 コイルはリアクタンスの補正として作動し、コンデンサーはインピーダンスを合わせる為に使います。

回路図  これで同軸ケーブルの50Ωに変換出来るのでSWRを下げる事が出来ます。
 CQ誌1999/4に「7MHzホイップ・アンテナ」が出ていましたがこれは、長さ1.5mのアンテナに約23μHのコイルと590PFのコンデンサーが使われていました。
 構造は同じで、周波数の調整機能が付いています。私の作ったアンテナは7MHzSSBバンドをカバーしているのでこのまま運用可能です。(99/3/19)

部品と材料

取り付け金具
 市販のプラスチックケースに、MプラグとMジャックを取り付けます。
 「プラグ」の方は手に入りませんので、取り付け金具を銅板で作り、をこれを半田付けしてケースにビス止めします。これで思っていたのよりしっかり付いています。図を参考に製作して下さい。

 コイルは釣竿(グラスファイバー製)のあまりを60mm切って(太さ15mm) 、それに0.6mmのPEW(エナメル線)を巻きました。
 巻数は試作の段階で6.4MHzになったので少しほぐし、66回で約19μHになりました。
 ここはアンテナの長さによって変わりますので自分のアンテナに合わせて下さい。
コネクターの写真  「コンデンサー」は調整時はセラミックで良いのですが、完了したら「マイカコンデンサーに置き換える」ことをおすすめします(マイカはお値段は高いが温度変化が極めて少ないので安心です)。
 容量はそれほどクリチカルではありませんが「コイルの方はかなり微妙」です。
コイル

調 整

SWR図
 調整は全体の影響を受けるので必ず「使う車で調整」します。

A.車に付けてまず共振周波数を調べます。調べ方は「SWRが下がっている周波数」です。
 7MHzより低い場合はコイルをほどき、高い場合は巻き加えます。
B.7MHzに近づいたらマッチングを取ります、コンデンサーを付けてSWRを下げます。細かく容量を調整して[1.0]近くまで合わせます。
C.コイルにエポキシ樹脂系接着剤を全面に塗る(下側2〜3回を除く)。
D.共振周波数を7.050MHzになるようコイルの端を調整して合わせます。
 (この調整は回りに何もない所で、例えば河原の土手等で調整する事)
E.インピーダンスが分かる測定器を持っている方はRを測り、50Ωより低い場合はコンデンサーの容量が大き過ぎるので減らして下さい(逆の場合は増やす)。これで作業が早く終わると思います。
 なを、測定器は無くてもSWRが下がれば良いので、コンデンサーを少しづつ(例えば100PFづつ)変化させてやればSWRを順次下げる事が出来ます。

試しに使う

 出来たので早速CQを出して5局程QSOしました。
 いずれも[59]のレポートが戻って来ました。7MHzの事ですから正確な物とは思えません、まあ「それなりに飛んでいる」と思われます(QSO出来た事実がありますので・・・HI)。
 CQを出している局を呼ぶ方が効率は良いのですが、条件の悪い方で試してみました。
 夜中、新市誕生の時スキップ状態でしたが山の上からダイレクトでQSO出来、これを作って良かったと思いました。使って見て「メーカー製の物と同等の物が出来た」と思っています。
 2.5mの長さからか、SWRもSSBバンドを約[1.5]でカバーしてFBです。(2009年以後はまた考えなくてはなりませんが?)

完 成

完成
 調整も終り、試しQSOも出来たら、コイル部分が動かないように接着剤で固定します。
 アンテナが長いので走行中のQSOは無理ですが、車を止めて運用するにはFBです。ケースもふたをするとかなりしっかりするので、ふたは必ず必要です。

 大きなアンテナの時よりSメーターの振れは悪いが、それでも9+20dBの局もいるのでQRMの少ない時間を選んで運用すれば十分楽しめると思います。
 ほぼメーカー製の物と同じ程度の物が出来ましたので「大成功」と思っています。
 JCCやJCG、町村ハントや移動サービス等に利用して下さい。

99/3/10 変換  

[部品表]

材 料詳細数量
プラスチックケース55x82x221個
MプラグMP−51個
MジヤックMR1個
銅線PEW 0.6mm7m
銅板25x30mm 0.8mm or 1mm1枚
マイカコンデンサー390PF (要調整)2個
グラスファイバー(釣竿の一部)60mm
ビス3X10mm4個
ナット3mm8個
他にエポキシ樹脂系接着剤少し

[メニューへ(Menu)](To Antenna menu) [Home]

inserted by FC2 system