The 10m SKYDOOR is 1 Loop Antenna.
Antenna size=Width 1.6m Height 4.57m
Series resonance(31 ohm+24j) = Parallel resonance(50 ohm-64j)
-64j=1/(64*2*3.14*28.5MHz) =87.3PF(adjustment Capacitor.use 80-100PF)《動作原理》
サイクル23に入ってHFのハイバンドがにぎやかになって来ました、雑音ばかりだった10mバンドもDX局が強力に聞こえるようになって「そろそろアンテナを考えよう」と思っている方も多いと思います。
98/1月号に6m用1ループアンテナを紹介しましたが、今回はこれの10m版です、最近はこのアンテナを"Skydoor"と呼んでいます。
その後実験を重ね色々なことが分かって来ましたので合わせて報告いたします。
ループアンテナと言えば、古くから正方形のキュービカルクワッド・アンテナがました、このアンテナはダイポールアンテナを2つ重ねた物です。
パソコンで下の小さなループを調べてみると主にマッチングとして動作しています、Skydoorはヘンテナから下のループを取り去ったアンテナと考えても良いでしょう。
今回のアンテナはキュービカルクワッドを縦長にして利得をより上げた物です。
以前から日本には「ヘンテナ」がました、これも同様縦長のループアンテナです、下に小さなループを付けて2重になっているのが特徴です。
ただループを取り去るとマッチングがずれるので少し細工をします、これが外付けのコンデンサーと言う訳です。
実はもう一つ外見からでは分からない細工をしています、さあ何でしょう?
アンテナはダイポール系なので水平編波で「8の字のビーム特性」を持っており、サイドは切れます、信号は真上に出にくくその分前後に強く押し出されるのが特徴でDX局に対し地上高の低い場合八木系のアンテナより有利と思われます。
パソコンソフトはJA1WXB松田OM作成のソフトを使いました、DATAがますのでMMPCをお持ちの方はコピーしてファイル名をantに変更して確かめる事が出来ます。《数字のマジック》
アンテナは普通「直列共振回路(Series resonance)」で表すことが出来ます、又「並列共振回路(Parallel resonance)」でも表せますがどちらも結果は同じです、これは同一建物を正面から見るのと裏側から見るのに等しく同じなのです。
アンテナの共振周波数は大きさや長さで決まり、インピーダンス(高周波に対する抵抗)は形で予め決まります。
問題はインピーダンスを同軸ケーブルの50Ωに合わせる方法ですがSkydoorはR=31Ωですから直結では合いません。共振させたSkydoorを少し大きくすると元の周波数より下がります、どれだけずれたかを表すのがリアクタンスという単位です。
容量の求め方 式 参考 Z=1/ωCから ω=2*π*F C=1/(64*2*3.14*28.5) - C=87.3(PF) 市販/91PF 今24j迄ずらした状態を[31Ω+24j(j24と先に書く事もある)]と表します、これは直列共振回路で表しているのでこれを並列共振回路に変換すると不思議なことにR=50Ωになり同軸ケーブルのインピーダンスに合います。
但し、64jという誘導性リアクタンスが発生するのでこれを打ち消す必要がます、といっても簡単です符号を変えた−64jを加えれば良いのです、これを10mバンドに換算すると87PFになり、耐圧は10Wで30V、100Wで100Vですが実際にはこれより高い物を使います。
実験の結果コンデンサーは10%程度の誤差が許容されるので市販品では91PFのコンデンサーでマッチングが取れます、材質は20W以上でマイカコンデンサーを使い、これ以下ではセラミックコンデンサーが使えます。
材 料 表 材 料 詳 細 数量 アルミパイプ 16mmX2m 2本 水道管 VP-16 20cm 1本 マストクランプ * 2本 銅線 1.2mm 9m 圧着端子 3.5mm 6個 タップビス 3.5mm 8個 小形プラスチックケース * 1個 マイカコンデンサー 91PF 1個 コネクター MJ 1個 バラン 1:1 1個 ACコード 20cm(バラン接続用) 1本 《材料集めと加工》
材料を集めて製作します、寸法図からおよその事は理解出来ると思いますが下のパイプから給電しワイヤーの中心部分が一番電位が高くなっています、ここが浮いている構造なので動作が安定です。
上のパイプは全体の重さを支えているので細い材料ではしなるかも知れません。
下のパイプは中央を水道管で浮かせて使います、アルミパイプに16mmを使ったので水道管はVP-16です、ポール取り付穴の位置は購入した材料に合わせて下さい。
寸法は「横/Width 1.6m 縦/Height 4.57m」ですが材料の寸法が多少変わってもこの前後で調整出来ます、従って寸法は気持ち長めにして調整で合わせて下さい。
ワイヤーは手持ちの1.2mmの銅線を使いました、各先端は圧着端子でタップビスでアルミ管に止めます、長期に使う場合ゴミなどが入らないように接触面にグリス(油)を付けておくとFBです。
縦の長さは調整が必要ですから始めは少し長めの4.7mにします。
給電部のバランは必ず必要で市販自作を問わず必ず入れて下さい、入れないと本来の動作が期待出来ず飛びが悪化します、なを自作バランだとマッチングコンデンサをケースに内臓出来て便利ですね。
マストですが10mバンドはアンテナが大きくなるので金属ポールを使います、「50MHzではグラスファイバーを使って浮かせた」のですがその後の実験で、給電部を浮かせればSWRも問題無く下がり電波の飛びもバッチリ飛んでくれました。《調整方法 ADJUSTMENTS》
寸法図の通り製作すればインピーダンスは合ってSWRは下がるはずですが使った材料や設置した場所によって共振周波数が多少ずれるので少し調整が必要です。
SWR計で周波数を希望の周波数に合わせます、CW主体なら28.2MHzSSBなら28.5MHz、FMで29.3MHzでしょうか、私はSSBが主でたまにFMなので28.75MHzを目標にしました。
SWR曲線の下がった所が共振周波数でここを変更するにはアンテナの縦の長さを変えます(参考1MHz当たり片側で18cmです)。
とりあえずパイプに巻き付けて長さの調節をし、SWRが下がってから線を切り合わせるとFBです。
周波数が上がった場合、本来ループを大きくするのが調整の基本ですがアンテナとバランまでの長さを長くすると結果的に周波数を下げる事が出来ます。
なを同軸ケーブルをコンデンサーの代わりに使う事も出来ますが、この場合同軸ケーブルを2〜3回巻にしておく、伸ばしたままではSWRが下がらない事もある。
長さ95cmを巻いた状態にしSWR計を見ながら切り合わせると良い。
アンテナアナライザーの表示の様にSWRは1.0近くまで下がっています、この後周波数を少し高くしました。《出来上がって》
6mの延長で製作したのですが予定した物より長めになりました、細長い分利得は増加しているはずなので損をするわけではません。
バンド幅は28MHzが広い事もあるのですがSWR1.5の範囲が約0.43MHzとあまり取れませんのでSWR3( 1.24MHz)まで有効利用しましょう。
10mバンドすべてカバーしてないのが欠点でしょうか、最適ではませんけどアンテナチューナー付きのリグであればSWR3迄はリグの方で対応出来ます。
飛びは21MHzの様にバンドは込み合ってないので珍しい所でも見つければ交信出来ると思います、調整後ワッチするとDX局ばかりでした、HS(タイ/AS)とS59AA(スロベニア/EU)を見付けたのでQSOして見ました、Eスポシーズンには国内の局とたくさんQSO出来るでしょう。
簡単なこのアンテナは屋根より高く上げられれば、思わぬ所まで飛んで満足出来るアンテナになると思います。
前記の見えない細工はわかりましたか!答えは「ループを共振周波数より少し大きくする」でした、どれだけ大きくするかはSWRが下がる点に調整すればそれで終了です、調整はすべて自動的に完了するので意識しなくても良いでしょう。
FB DX 73
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