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アンテナ
1EL、2ELのデルターループ・アンテナを作りました。使っていると欲が出る物で「もっとゲインのあるアンテナが欲しい」、ということでグレードアップした3ELを作りました。試して見ると結果はとてもFBです。
2ELにもう一つエレメントの追加するだけで、利得もかなりアップして「感度が上がった!」。という実感が持てるアンテナになりました。【 3ELが適当な大きさ! 】
八木アンテナでもそうですが、2ELから3ELにすると「グー」と利得が上がります。
3ELから4ELにしても、その上り方はわずかで測定機で調べて始めて「上っている」と分かる程度です。更に「上った」という感触を持てるのは、5〜6ELにする必要があります。こうなるとブームも太くしなければならず大変です。
もともと、受風面積の大きいこのアンテナは保守の事を考えると、強風に耐えられる構造を作るのは簡単ではありません。
おまけに帯域も更に狭くなるし、何か対策を立てないと「作っても調整が困難」・「思った性能がなかなか得られない」ことになります。
一方、3ELというのは大きくならないし、比較的簡単に作れ良く飛びます。「自作派、アマチュア向きのアンテナ」といえそうです。【 製 作 @】
材 料 表 品目 詳 細 数量 アルミ管 28mmx14cm 2本 アルミ管 25mmx250cm 1本 アルミ管 22mmx20cm 1本 アルミ管 12mmx100cm 1本 アルミ管 10mmx200cm 7本 水道管 VP-25 100cm タップビス 3mm*8 18個 タップビス 4mm*10 5個 ビス、ナット 4mm*12 6組 銅線 PEW1.4mm 8m 圧着端子 4mm 4個 ケーブル 3C-2V 1.2m ケーブル 3D-2V 1.2m コネクター MB-R 1個 マスト・クランプ MC-90 1個 作り方は1ELや2ELと同じです。材料もその延長線上ですから手に入ると思います。
ブームは25mmのアルミ管を使い、エレメンを差し込む所は一回り太い28mmの物を使いました。(エレメントの製作に付いては、「1EL」の製作を合わせてご覧下さい。)
止めているのはタップビスです。これにラジェター部分を絶縁をさせる為、塩化ビニールの水道管(VP-25)を使いました。
各エレメントは10mmのアルミ管を使い、接続は12mmの物を使います。これはストッパーとしても使います。
組み立ては10mmのアルミ管を穴に差しこむ方式です。そのままでは止まりませんから12mmのパイプを10mmのアルミ管に付けて、STOPさせています。
一回り太い物で止めていますが、方法は単にビスを付けて止めても良いと思います。各部を止めるのはやはりタップビスで、こちらは小さい物を使いました。
【 製 作 A】
ブームは2.3mとあまり長くありませんから、25mmのアルミ管を使います(2ELのブームに追加しました)。
延長の仕方は22mmのパイプを差して補強しています、外側にする28mmでもOKです。
マストクランプの所は、力が加わるので25mmの水道管を差して外形を太く(32mm)しています。これでしっかり取り付けられます。
大きな台風が来て無いのですが、春一番にも耐え、ほぼ1年間このアンテナは屋根の上でFBに頑張っています。【 マッチング合わせ 】
始め2ELから3ELにしてそのままSWRを測ると、上がったままで下がりませんでした。
そこで、どんな状態になっているのか調べて見ると、共振周波数は下がり(49.45MHz)ぎみでインピーダンスもかなり下がって (20Ω )いました。
この対策として、全体の寸法を縮めて共振周波数を上げました。インピーダンスも「1/4波長のQマッチ」で合わせることにしました。
方法は75Ωと50Ωの同軸ケーブルを重ねて30Ωの同軸ケーブルを作ります。これでQマッチを作ると50Ωが18Ωになり、ほぼインピーダンスが合います。
ここはシュペール・トップのようにした方がFBですが、ループ3回巻きで代用させます。
止め方は防水を兼ねてビニールテープを巻き付けています。
これで実際に屋根上(タワー)に上げると、少し共振周波数が変りますから、給電部のワイヤー部分を更に調整して[50.3MHz]に合わせました。
10cmで約100KHz変化するので調整の参考にして下さい。
マッチングは「Qマッチ」の他に「ガンマーマッチ」も考えられます。それぞれ一長一短が有りますが2ELに続きQマッチ式を使う事にしました。【 利 得 】
気になる利得ですが、自由空間上での利得はMMPC(JA1WXB松田氏作成のパソコンソフト)によると2ELの5.1dBdに対し、3ELは7.5dBdと2.4dB も上っています、FB比は15dB半値角60°と出ています。
実測でFB比18dB、半値角約60°ですからかなり合っていると思われます。
ただ、共振周波数は計算とは少しずれていますが、これはエレメントが少し弓状に曲がっている為でしょうか。
水平面、垂直面のDATAは図の通りです。実測は困難ですからパソコンの物を参考にして下さい。垂直面は自由空間上のDATAなので、実際の使用には打ち上げ角が上がります。【 結 果 】
前記の様にかなり利得のアップが感じられ、FBになりました。
当局から新潟や山形の局とはなかなかQSO出来ないのですが、それが聞こえたり2や9エリアとQSO出来たり「2ELの時よりカバー範囲が広くなった」と実感しています。
以前、7EL八木を13m高に上げてましたが、利得的には低いデルタループの方が八木より飛んでる感じがしています(7mHで使用)。
飛ぶといっても地上高が低い場合です!3波長を超えるような高さが保てればゲインのある八木アンテナの方が有利になって来ます。
欠点はSWR[1.5]の範囲が0.45MHzしかありません。従って「バンド幅が十分取れない」のと「受風面積が大きい」所でしょうか。
新市誕生ではHomeで愛知県日進市、移動で京田辺市のNEWをこのアンテナでゲットしました。
99/4移動し、このアンテナで兵庫県篠山市もゲット出来ました(役に立っています)。
私としてはお薦めアンテナの一つです、ぜひ作って利用して下さい。【 ヘアピン・マッチ 】
このアンテナは2年ほど使って来ました。「台風が来る」との予報でアンテナを一時的に避難させたのです。
この時各部を見たら、ビス・ナット部分に鉄を使った所が少し「さび」出して来ました。
新しい物と交換しましたが他に異常は有りませんでした。またまだ使えそうです。
せっかく降ろしたので、この機会に以前から考えていた別のマッチング方式を試して見ました。
ヘアピン・マッチは「アンテナを少し短めにし、リアクタンス(-J)を持たせ、それをヘアピン(コイル)で補正する。ついでにインピーダンスも50Ωに合わせよう」とする物です。
これも方法は何種類かありますが、図に示した物[1]と[2]を試しました、どちらもSWRは[1.0]まで下がりました。【 調整の仕方は 】
[A] 「共振周波数を少し高くする」これは、調整の時Raのパイプに線を巻き付けて、全体の寸法を短くして調整します。
[B] 銅線の先を折ってパイプに差し込み、この部分全体を「ヘアピン」として動作させます。
A及びBを調整してSWR を下げます、説明は分かりずらいかも知れませんが実際は簡単です。マッチングはすぐ取れると思います。
調整が終了したら、パイプにしっかり固定させる為に圧着端子を付けてビス止めします。
なを、ループの寸法が全体に短くなりますが、共振周波数を変更している訳ではありません。リアクタンスを生じさせてそれを補正しているだけですから、動作に付いては同じです。
図に示した通り1:1 のバランが必ず必要です。市販品や自作を問いません、必ず入れて下さい。
このマッチング方法はインピーダンスを上げる為にするので、以前の「1.2エレメントのようにインピーダンスを50Ωに下げる方式のアンテナには使えません」3エレ用です(念の為)。
99/3 最近マッチングはヘアピンを使わずQマッチの状態で使っています、捨てるのがもったいないので・・・HI。
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