1200MHz用 デイスクアンテナの製作


 HB9CV・アンテナ

本体の写真
 デイスクアンテナは簡単に作れる基本的なアンテナです。一つ作っておくと何かと便利なのでおすすめします。

 このアンテナは一般に「グランドプレーン(GP)アンテナ」といわれてるアンテナです。
 200MHz帯は波長が短いので、HFではラジアルをワイヤー数本で代用してますが、ラジアルをデイスク状にしてもこのバンドではたかだか11cm程度です。これは気軽に作れますねー。

 【 動 作 】

 このアンテナのインピーダンスはダイポールアンテナの半分なので73Ωの半分、約37Ωになります。
 これを50Ωの同軸ケーブルに直接接続するとSWRは良くて[1.3]程度になります。これでも十分使えますがマッチングを更に取ってみました。今回はLマッチを使ってSWRを合わせます。

 1200MHzバンドではバンド幅が広いので広帯域にする為に、給電部をデイスクの中心から少しづらして付けてみました。
 これによって、ラジアル部分は次のように作動します。
「広い部分で低い周波数」を「狭い部分で高い周波数」をそれぞれ対応するので結果的にSWRの低い部分が広がります。

 【 部 品 】

寸法(イラスト)
 部品は簡単ですから写真の通りです。一番高価な物がNコネクターで、これに付ける同軸ケーブル10cmと真鍮板(110mm角0.3mm厚)、銅線(1.2mmφを300m)です。手持ちの材料を使って下さい。銅板、真鍮線でもけっこうです。

 同軸ケーブルは太目の物を使って下さい。エレメントに負担が掛りますので太い方がしっかり作れます。
 使ったのは10D-2Vですが、接着剤で固定するので細くても(5D-2V程度)作れます。手持ちの物で製作して下さい。

 【製 作 】

給電部の拡大写真(反射して2重に見えています!)
 始めにコネクターに同軸ケーブルを付けます。長さは好みで決めます。
 Nコネクターの接続はHF等で使っているMコネクターに比べ少し難しいです。ていねいに作業して下さい。

 次にディスクですが、1290MHzの波長が約232mmですから、1/2波長と短縮率を考慮して直径110mmの円盤を真鍮板から切り出します。
 ディスクの中心に印を付け、すぐ脇(約10mm)に同軸ケーブルを付ける穴を開けます。10D-2Vの場合、直径約12mmでした。
 コネクターに真鍮のディスクを付け、「放射のエレメント」を付けます。これは始め1.2mm銅線を2本よって使いました、が少し細い感じでしたので1本追加して3本線にしました。
 加工には熱が逃げるので、少し「パワーのある半田ゴテ」が必要です。
 これにマッチング用の線を付け、ほぐれないように先端や中間を軽く半田付けしておきます。これで組み上がりました。

 【 調 整 】

調整の仕方の図
 調整は次の2ヶ所有ります。始めは周波数を1290MHzにするのですがこれはエレメントの長さを調整します。SWR計の表示が下がるように先端を0.5mm単位で切って行きます。
 次にインピーダンスを合わせます。これはマッチング線の長さを調整してSWRを[1.0]近くまで追い込みます。

 片方を合わせると一方がずれるので、数回この調整を繰り返すとSWRは1290MHz辺りで下げる事が出来ます。

SWR図

 ここで調整の労力を惜しまなければ、SWRは[1.0]近くまで下げられますが[1.1]まで下がれば「はなまるで合格」としましょう。
 もし、先端を切りすぎた場合は新しくエレメントを付けるか、またはエレメントを太くする(3>4本)と周波数が下がるので再調整して下さい。
 出来上がった物はSWR図のように、バンド内でかなり下がった状態で使用が可能となりました。

 【 完 成 】

本体の写真(斜め上から)
 調整が終わったらエレメントを補強する為に、エポキシ樹脂系接着剤を塗っておきます。低い部分はインピーダンスが低いので付けても影響はありません。
 しっかり接着しておきましょう。ディスク部分はそのままだと錆びるので透明塗料(ラッカースプレー)等掛けて保護するとFBです。
 利得は有りませんが「無指向性のアンテナとして確実に動作する」ので安心です、いざという時使えますので作っておくと便利でしょう。


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