Skydoor と Hentenna の比較


Skydoorとヘンテナって!

各部の電流分布図
 このアンテナ(Skydoor)はループアンテナの利得を追求する為に開発したアンテナで、つくり易さや安定度等から、結果的に「ヘンテナ」とほぼ同形になりました。
 説明のし易さからヘンテナを利用していますが、始めからヘンテナを改良しようとして作った物ではありません。

 ヘンテナとSKYDOORはおなじょうな動作です。ヘンテナに付いてパソコンソフト、MMPCで計算すると利得は3.0-3.2dBで、どちらも利得的には変わりません。
 これはヘンテナが下側にマッチングループを抱えているのに対し、SKYDOORはそれを取り去り、代りにマッチングを別の方法でやっています。
 この辺はMMPCの電流表示を見ると分かります。A点に流れる電流はB+Cにほぼ等しく、C=0にすると(下のループを取り去る)A=Bとなり、流れる電流はかなりシンプルに成ります。

利得が同じなら小形の方がFB

以前作ったヘンテナの写真
 利得的にほとんど変わらないのなら、形が少し小形になるSKYDOORは作り易いです。移動も小形で持ち運びに便利です。
 写真で。下のループが取り除かれます。どうです、小さくなると思いませんか!この分高く設置出来るし第一、ひと一人分のスペースがあれば運用出来るので、山岳移動にも最適かと思われます。八木アンテナでは木の枝にぶつかる、などがあります。
 6mで約60cm(1/10λ)小形に出来ます。このことは「7MHzで製作する場合、全体で4mも短く出来る」事を意味しています。しかも利得的にはほとんど同じです。

 これでは「使わない手はない」と思いますが?QSO中にこのアンテナを使って説明しても、知られてないので「その後作った」という方が少ないです。でも、インターネットでお願いし数人が試してくれました。
 以前QSO中に「ヘンテナを作る」という方を見つけ、30分ぐらい掛けてSKYDOORに付いて細かく説明したことが有ります。
 その方は終わりに「ヘンテナを作ってからにします」といったのを聞いて、がっかりしました。このアンテナはメジャーでないので仕方が有りませんが・・・・。

あきらめずに宣伝しています。

 その後6mでのQSOを重ね、機会があれば宣伝しています。最近は数人の方が作るといってましたので、近いうちに使ってもらえる物と、期待しています。
 ヘンテナのユーザーがSKYDOORに移ってくれるのを待っているわけです。早く2*SKYDOORでQSOしたい物です。
 まだまだ宣伝が足りません、これを見た方はぜひ製作してこのアンテナを宣伝して欲しいと思いますのでよろしくお願いします。

 10数年前ヘンテナを作り使っていたのを思い出します。当時はSWR1.4前後で使っていました、SWRを下げる方法は一部の方しか知らずSWRの高い状態で使っていました。それでも飛びには結構満足していました。
 最近では(1994年頃)また移動用として作り、お手軽移動として使っていました。下のループはマッチング用して動作しているのはわかってましたが、当時は無くても良いとは気が付きませんでした。
 無駄な物をぶら下げて移動していたわけです。今考えると(^_^)ますが当時は真面目に使っていました。

マッチングに付いて質問が多いので!

 SKYDOORのマッチングはコンデンサーを付けてマッチングを取ります[キャパシティ/Cマッチ]。これはリアクタンスの補正を利用するマッチング方式です。
 具体的には始め「アンテナの長さを調整して目的の周波数で共振させます」、この時のインピーダンスは約31オーム程度になります。同軸ケーブルの50Ωから離れているのでこのままではマッチングしません、この為マッチングを取る為に少し細工をします。

 アンテナは直列共振回路として表せますが、これを並列共振回路に変換する事が出来ます。
 アンテナを少し1-2%大きくすると共振周波数がずれます、このずれをリアクタンスで表しますがちょうどリアクタンス24jになった点で「直列並列変換すると31Ωが50Ω」になります。
 この時リアクタンスは65jとなり、このリアクタンスと逆の物を加えるとリアクタンスが消え、50Ωだけが残り、SWRが下がるという仕組みです。

整理すると
  1. アンテナのインピーダンス31Ωの時アンテナを少し大きく(MMPCによると50MHzで長さを3cm延ばす)してリアクタンスを発生させる。
  2. リアクタンス24jの所で、直列並列変換すると50Ωと65jとなる。
  3. これを50MHzに換算すると、約50PFとなるのでコンデンサーを並列に加えると抵抗分のみとなります。
  4. 実際には50PFのコンデンサーを付けてSWR計が下がるように、長さを調整します。
 リアクタンス24jをどうして求めたのかは「直並列変換表」を用意したのでそちらをご覧下さい。これには各抵抗値を50Ωにする為の表があります。
 計算式もありますし、ジャバ・スクリプト(javascript)を利用してここで計算も出来ます。
 周波数を変更したい時等、必要な容量がすぐ出て来ますので利用して下さい。

[ 99/2/18-3/26 制作 ]

ヘンテナを否定するのでは有りません。

 ここではSKYDOORを宣伝する為に、「ヘンテナがマッチングに使っているループより別のマッチングの方がFBではないか!」と提案しているもので、ヘンテナを否定するものではありません。

 過去、私もヘンテナを使って来ました。でも「現在はパソコンを利用出来る環境になりました。」そしてより便利で効率の良い物を追求する手段を誰でも持てるようになったのです。パソコン上で新しいアイデアを試してみる事が出来るようになったのです、時代が変わりました。

 これでSKYDOORが出来たわけですが「パソコンの発達によって新しい世界が開けて来た」ともいえます。
 だからといって「ヘンテナがだめ」というのではありません。今までアマチュア無線界にたくさん使われ、役立って来た事実があります。
 それは歴史として記憶に残しておかなければなりません、今後も更にFBなアンテナが開発されるものと思われ、今後の発展を期待しています。(2000/12/15)

[メニューへ(Menu)](To Antenna menu) [Home]

inserted by FC2 system