50MHz "SKYDOOR" JA1HWO ORIGINAL ANTENNA


The SKYDOOR is 6m band antenna.It is 1 loop simple Antenna.
Antenna size =Width 90mm Height 240mm(for tuning Frequency)
Series resonance (31 ohm+24j) = Parallel resonance (50 ohm-64j) to coaxial cable
-64j=1/(64*2*3.14*50.3MHz) =49PF(adjustment Capacitor. use 50PF)


始めに

ヘンテナとの比較
 50MHzの移動は簡単に出来て、良く飛ぶ事から「ヘンテナ」が入門用として、作られ使われて来ました。
 ヘンテナって給電部が別ループになっているので、見かけ上2つのループになっています。

 小さいループは主に「マッチングとして作動」していますからマッチングは別の方式ですれば、もっと小さくて同じ性能が得られるのではないのか!
 また「構造が簡単になればそれだけ移動に行った時、組み立てや撤収時間も掛からず便利になるはず」という見方も出来ます。

 飛びはパソコンのDATAではほぼ同じです。作って見ると小形のため製作も簡単です。
 「まったく同一」とはいえませんが、寸法が2割も小さくなるのは魅力です。使うとこのアンテナは「従来のヘンテナと同じ」という感触を得ました。
 構造は図の通り簡単で性質も素直だし、性能もヘンテナに極めて近い親戚です。

ループアンテナの利得

ヘンテナとの比較表
SWRの幅ヘンテナNEW LOOP
1.50.640.88 MHz
2.01.081.4
3.01.832.5
利 得3.0 dBd3.0dBd
たての長さ2.9m2.5m
よこの長さ88cm88cm
 簡単なループは「どこまで利得が上がるのか」と以前から気になっていました。
 MMPC(パソコンソフトJA1WXB 松田氏作成)によると、ループアンテナのインピーダンスが50Ωで約2.5dBd、10Ωで3.5dBdと出ました。
 1ループ50Ωのアンテナは何回か作ったことがありますが、この方式は同軸ケーブルに直接接続出来るのが最大のメリットです。
 それと、縦長にしていくと、今度はインピーダンスは下がりますが利得は増加します。
 このインピーダンスを下げた物も以前作って(スリムヘンテナ)、その性質を調べました。

 この時得た教訓は「利得は取れる物の、それはわずかで。ノーマルヘンテナ(3dBd)と比べ飛びはあまり変わらない」でした。
 更に、電圧が上がっている部分が接近して来るので、わずかな振れでインピーダンスが変わり、「初心者には調整や使い方が難しい」等々問題を含んでいました。

 今回の物は、これらの問題を色々と加味して製作した物で「新しいアンテナ」といえます。

アンテナの動作

寸法図
 アンテナは「1ループなので帯域も広い」事が見込まれ、中心周波数を50.7MHzあたりに決めました。
 ヘンテナに近い利得とする為3dBを目標にパソコンで寸法を選びます。何回か計算して求めた結果図のような物になりました。
 インピーダンス31Ω、リアクタンス24jです。これをパラレル変換してインピーダンスを50Ωに合わせます。
 この時リアクタンスが生じるのですが、うまいことにちょうど50PFの容量で補正出来て覚えやすい値になりました。
 マジックのような感じですが、逆算出来るのはパソコンのおかげです・・HI。
 DATAでは長さ250cmとなりましたが、作った物は周波数が下り230cmとなりました。これはバランの引き出し線等で幾分使っている為です。
 図のようにバランまでの線もアンテナの一部ですから、全体の長さに関係して来ます。
 実際の引き出しに10cmの線とバランの中にコアを使っており、コアの所も3cmぐらいはあってそ、れぞれ共振周波数に影響を与えているようです。

★★★ 設計(1EL LOOP) ★★★

項 目DATA
よこ(width)88cm
たて(height)2.5m
周波数(frequency)50.7MHz
利 得(gain)3.0dBd
シリーズ(series)31ohm 24j
パラレル(parallel)
(adjustments capacity)
50ohm-65j
(容量は 6m=49PF)
半値角(-3dB)87(deg)
6m SKYDOORのMMPC DATAです。(1Kb)
 MMPCをお持ちでしたらコピーし「50skyd.txt > 50skyd.ant」とファイルの拡張子を変更して実行させて下さい。
 パソコンソフトにMMANA(Windows95/98)がありますが、これでも同じように計算出来ます。最近の物(1999.5.21 Ver 1.48以後)には内部のAntenna dataにSKYDOORを入れてもらったのでDATA(6skydoor.maa)はサンプルの中に含まれています。(CQ誌99/6月号の付録の物には含まれていません)

 MMANAはJE3HHT 森 誠 OMが作られた物でここからダウンロード可能(フリーソフト)です。

製作編 部品集め

 写真上はエレメント先端、目玉クリップ(豆)
 写真下はエレメントを押さえる目玉クリップ(中)

上下のクリップ

 アンテナを取り付けるマストは、グラスファイバーの釣竿を使います。
 上下のエレメントはアルミパイプを使います。作った物は移動用として6mmφの物を使いました。

 給電部は左右を絶縁する必要が有り、ここはボールペンの軸(9mmφ)を使いました。
 パイプを保持する方法は以前ヘンテナで使った方法を取ります。それは目玉クリップでつかむ方式です。
 左右のワイヤーは銅線又はACコード等を利用して下さい。先端は豆目玉クリップを取り付けておきます。(写真参照)
 給電部はコネクターを付けるか同軸ケーブルを付けて、引き出しておきます。
 移動で素早く組み上げられるようにケーブルを付け、バランは自作の物でコアを使たソーターバランを使いました。この中にコンデンサーを内臓させています。ここは市販の1:1バラン(普通売られている物)を使っても良いでしょう。
 コンデンサ50PFは10W程度の出力でセラミック、50Wでマイカンデンサーを使います(市販品では51PFになるかも知れない)。
 耐圧は10Wで30V以上、50-100Wで100V以上、普通マイカコンデンサの耐圧は200V程度あります。
 電気関係はハムシヨップ、それ以外はDIY(ホームセンター)で購入出来ます。
材 料 表(LOOP)
材 料数量
釣り竿 5m程度1個
アルミパイプ 6mmφ1m 2本
ボールペン軸 1個
目玉クリップ(中)3個
目玉クリップ(豆)4個
タップビス 3*8mm3個
ビスナット 4*10mm1組
ACコード3m
銅線 1.2mm1m
マイカコンデンサー50PF1個
外ビニールテープ-
材 料 表(BARUN)
材 料数量
プラスチックケース1個
コネクター MR1個
コア FT-114-431個
銅線 0.3mm エナメル又はuew1m
ビスナット 3*10mm2組
ラグ 3mm1個

バランの作り方

バランの作り方
 ループアンテナなので給電部はバランを付ける必要が有ります。市販品もありますが今回は自作した物を使って見ました。
 構造は簡単です、銅線をよってコアに5回巻いただけです。図を参考にして下さい。特にコア材は間違えないで下さい、FT-114-43(coil 5T)を使っています。

 マッチングのコンデンサーは手持ちの関係で30+20PFを使いました。

 コンデンサーの代わりに同軸ケーブル1.5D-2Vを50cmを使っても良い。この場合始め60cmでSWRを計り、同軸ケーブルを切りながら合わせます。調整出来たら丸めてバランのケースに入れます。
 製作したバランの写真(jpg 13KB)

組み立て

パイプ
 アルミパイプの写真(jpg 12KB)は図を見ながら寸法を切り合わせます。給電部はボールペンの軸を使って作りますが、割れ易いので小さい穴から順次大きくしながら丁寧に穴を開けて下さい。
 ワイヤー部分に豆目玉クリップを半田付けします。ここまでは簡単に出来ると思います。
 設計時点では少し長めでしたが製作した物は幾分短くなりました。始め長さは2.35mに作って調整で少し短くします。
 調整後、短くなったのはバランに接続するのに、引き込み線(約10cm)が影響している為です。

パイプ止め用クリップ

 アルミパイプをつかむ目玉クリップは、上をクロス状に(ビスナットを使って)組み立て、下は銅線を半田付けして、その銅線を釣竿に巻き付けビニールテープで固定します。この辺の仕組みは写真を参考にして下さい。
 止め方(図)(gif 5KB)は簡単ですがしっかり止まり。20回以上の移動にも耐えて使っています(銅板をボンドで張り付けそれに半田付けしても良い)。

調 整

50.5MHzに合わせた
 調整は周りに何も無い所でする事が望ましい。公園とか河原等周囲2−30mスペースのある所で、出来れば地上3m以上に上げて調整して下さい。
 このアンテナは図の寸法で作れば、ほとんど50MHzSSBで問題無く、無調整で運用出来ると思います。

 SWRが[2]以上ある場合、まず寸法を調べて下さい。次にコンデンサーが外れてないか、接触が悪くはないのか等を調べます。
 ワイヤーの長さは共振周波数を合わせる為に変更するものです。1MHzあたり約6cm変化するので細かい調整はここで合わせて下さい。
 調整は一度だけです、しっかりSWRを下げましょう。

[ 調整のポイントはここ ]
  1. まわりに何も無い所で調整する!
  2. 周波数は縦の長さを変化させて!
  3. SWRはコンデンサーの容量で(6mでは50PFのままでOK)。

出来上がり

ビームパターン
 このアンテナは横幅も十分取ってあるので、初心者でもうまく動作するはずだし6mバンドを十分楽しめると思います。
 河原の土手等で運用すれば、思わぬ所まで飛んでハムライフをエンジョイ出来ます。

 使って見た最初の印象は!「ヘンテナに比べサイドの切れが少しあまい」感じを受けたのと「デルタループほど地上の影響を受け難い」気がしました。
 河原で調整した後(足利市から)聞こえていた局と交信、1エリア以外では宮城県名取市や愛知県蒲郡市等と10WでQSO出来ました。
 テストは上々で「出来はヘンテナと同じ飛び」の感触を得ました。「八木系のアンテナは聞こえていても飛ばない事がある」のですが「ループ系の飛びは一般にFB」です。 FB DX

その後(約1年半:99/1追加)

Cの代りの同軸ケーブル
 ポールは前記のように釣竿を使いましたが、その後の実験で給電部分を浮かせば、アルミパイプでも同じように作動しました。
Cマッチのコンデンサーの代りに「同軸ケーブルを代用品」とした所、うまく作動したので現在1.5D-2Vをバランの中に丸めて押し込んで、使っています。
 この方法を使うとエアバリコンを使っているのと同じでマッチングは完全です。SWRを[1.0]まで合わせられます。
 飛びはビッグアンテナには対抗出来ませんが、ロケの良い所へ移動すれば以外と(並の固定局より)飛んで喜んでいます。
 全体の評価として、国内の他DXもQSO出来て、簡単なアンテナにしては満足しています。
 98/秋に10m版を製作しました、パイルになるとだめですがDXも入ってDPよりもはるかにFBだと思います。

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