50MHz ミニモービル・ホイップ
              予算2,000円


50MHzモービル・ホイップ

 最近、キャパシテイを付けた短縮アンテナが性能が比較的良くなるのに気が付き、更に追求しようとこのアンテナを作りました。
 製作のきっかけは以前「超短縮アンテナ」を作ったことです。
このアンテナは2.5W運用では何ともなかった、のですが20Wで送信すると「コイルが加熱し共振点がずれてしまた」ので改善したい、と思っていました。
 更に、超短縮ではバンド幅も狭く、条件が少し変ると使えず「使いづらい面」もありました。
 これらの欠点を改善する為に、「全体を少し長くした」物を作って見ました。
 結果は予想通りVY−FBで1ランク上の性能が得られて、びっくりでした。
全体の写真
 なを、このアンテナもコイルを使っているので、パワー20W以下で使って下さい。50Wでは休み々使っても発熱します。
 短いアンテナにしては、フルサイズのホイップアンテナと比べて-3dB程度しか下がってないので、バンド幅を我慢すれば飛びの方は十分で、結構使えました。
ただ、この手のアンテナはちよっと調整が難しいのが欠点です。

動 作

寸法図
 アンテナは1/4波長のGP系アンテナです、動作は長さを短くしていますから、不足分をコイルで補っています。特徴は写真のように先端にキャパシイテイ・ハットを付け、効率を上げています。
 下の方はマッチングの半田付けを容易にする為「はだかの銅線」を使いました。

 上部は初めスペース巻き、次が密着巻きにしてあります。これは下の方が電流が主に流れるのでこのような構造にしました。上の線はあまり電流が流れませんので太さは少し細めの1mmの銅線を使っています。
 下部はパワーを入れた時に発熱するのでスペースを取って、「放熱の作用」もさせています。逆に上部は電流が少ないのですが電圧は上がっているので少し発熱します。
 マッチングは「Lマッチ」の変形で、タップ式で取る事にしました。この方式は少し調整が面倒ですが、単なるコイルなのでコストが掛らないのが魅力です。

材料は並みの物を使いました。

回路図
 コネクターは8D-2Vの物に、ちょうど釣竿(グラスファイバー製 )の一部がかぶさる部分を切り出して使いました。
 それにエナメル線(PEW) と、はだかの銅線を使いました(太さは多少変っても作動します)。
 巻き初めはタップビスとラグを使い、先端は銅板を貼り付けています。エポキシ樹脂の接着剤を塗って固定していますが、これとコイル全体も最後に接着剤を塗って保護しています。
[材 料 表]
品目詳 細数量
コネクターMP-7(8)1個
釣竿グラスフアィバー製1本
銅線PEW 1mmφ3m
-1.2mmφ1m
銅板0.3mm 25X50mm-
タップビス3X5mm1個
ラグ(圧着端子)1個

製 作

コネクター部分 拡大
 まず、釣竿からコネクターにちょうど入る部分を、約 150mm切り出します。
 コネクターの下にタップビスが入る穴を開けて取り付けます。3mmなら2.5mmの下穴を開けます。
 次に、マッチング部分の銅線を巻き付けます。ここは手持ちの1.2mm の銅線を穴に引っかけて8回巻きました。

 「下から2回前後にマッチングのポイントがあります」、その近くに引き出し線用の穴を予め開けて置きます。
 コネクターに銅線を付けてその穴から出して置きます(コネクターに接触しないようにビニール等を付ける)。
 銅板を先端に巻き付け、エポキシ樹脂系の接着剤で付けて固定します。これにエナメル線(PEW or UEW)を使って、図のように巻き付けます。

 初めは巻き数を5回程度多めに巻いて置きます(調整はほぐしながら周波数を合わせます)。巻き加えるのはきれいに仕上げるのが難しいので、予め多めに巻いておくわけです。
 取りあえず出来上がったら、一部に接着剤を使ってコイルを仮固定します。
給電部
半田付けの位置

調 整

SWR図
 初めは給電部です。下から 2.5回の所に半田付けして置きます。
 これでSWRを測定し共振点を求めます。この時のSWR計はバンド外も測定出来る物でないと分かり難いと思います。
 次に、共振周波数を51MHz (後で50MHzに戻す)にする為、先端をほぐして合わせます。その時めんどうですが1回づつ作業して下さい。「ほぐし過ぎ!」なんてことになり兼ねます。

 51MHz に合った所でSWRを下げます。ここはインピーダンスを50Ωに合わせるわけです。
 実際にはタップの位置を動かしてSWRが最も下がる所を探します。
 [1.2] 以下に下がれば合格としましょう。この作業は結構手間が掛ります。私の場合発表する関係からSWRは[1.0] 迄追求しましたが、車と半田ごての間を数十回も往復しています。飛びの方は1.3 以下なら1でもほとんど同じですから適当にして下さい。

 先端は銅板で蓋をして、前面にエポキシ樹脂系の接着剤を前面に塗って保護します。初めは接着剤を90%程度付けて周波数を合わせます。
 この時周波数がずれますので、SWRのチエックをして巻き数を変更しながら、最終的に共振周波数を[50.200]に合わせます。
 ちなみに接着剤を付けて乾燥後(直ぐはだめ)に測定すると、なんと共振点が[1MHz ]も下がりました、この為当初 51MHzに合わせるのです。

出来上がり

出来上り写真
 出来上がったのでさっそく試して見ました。普段あまり聞こえない50MHzですが休日には移動局がたくさん聞こえます。
 車で河原の土手に上がり2.5Wで呼んでみました。すると直ぐ応答が有って簡単に3局程QSO出来ました。
 この中でSメーターを半分振って来る局をモニターしながら、手持ちの外のアンテナと比べて見ました、これが「比較」です。以外と結果はFBで予想以上の性能に仕上がっていました。

 1.2 m長のアンテナと比べ[-3dB]は出来過ぎの感じがしますが、同じ条件で測定したので「FBの一こと」です (水平と垂直編波の関係が有りますので一概にはいえませんが!)。
 マッチングにはかなりて手間どりましたが、図のように作れはかなり簡単にSWRは下がってくれると思います。
 ただ、共振点合わせが初心者には難しいかも知れません。
 2.5WではSメーターを振って来る局としかQSO出来ませんでしたが、10や20Wで使えばもっと弱い局へも飛んでくれるでしよう!
 FB DX!

アンテナ比較

[アンテナ比較表]
品目詳 細利 得参考
1.2m の物+10dB簡単に作れる
今回製作した15cmの物+7dB写真は上のものを見て下さい
以前水道管で作った物+3dBほぼ今回作った物と同じ長さ
超短縮6cmの物0これが基準
 以前作ったミニタイプのホイップアンテナを出して来て比較してみました。
a/アンテナ c/アンテナ d/アンテナ(基準)

 結果、かなり面白い事が分りました、それは短いのにもかかわらず今回の物は比較的信号を拾っている事です。
 たぶん上部のキャパシテイ・ハットがうまく作動している物と思われます。
 [ リグにATTを付け、Sメーターの振れが同じに成るようATTを操作してその値を読んだもの]

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