144MHz 版
50MHzの「MLアンテナ」を作って、その便利さを2mでも味わおうと作ってみました。すると、予想以上にFBに出来ました。
飛びの具合いも、相手のアンテナに助けられていますが、これ又バッチリの飛びでFBでした。特 徴
このアンテナは「共振部」と「給電部」で出来ておりなす。共振部は外枠ですが、ここはコイルと見なせ、コンデンサーとの組み合わせで、目的の周波数に共振させます。
給電部は外枠である共振部の信号を、電磁結合で受けてリグに信号を伝えます。送信では共振部から電波が出る、という仕組みです。
動作としては、普通使われている電界形のアンテナでは無く、磁界形動作(正しい表現ではないがこれの方が判りやすい)なので動作の性質が少し違います。
一般のループ・アンテナは、ループ面の正面にビームが出ます。一方「磁界形アンテナ」は横方向にビームが出るのが特徴です。
一般のアンテナは近くに金属が有ると、その影響を強く受けます。磁界形アンテナはその影響は少ないようです。
ロケの良くない室内からの運用では、普通のアンテナではほとんどローカル以外はQSO出来ません。所が「MLアンテナ」だと出来るんです。後記のように10WSSBでかなりの局とQSO致しました。作り方
このアンテナは「50MHzMLアンテナ」をスケール・ダウンした物で、作り方は同じです。
6ミリの銅パイプ47cmを曲げて輪にします。木の縁でこすりながら力を加え、少しづつ円形にして行きます。
端は曲げづらいので自信の無い方は、少し長めに切って曲げます。この場合出来上がってから、両端を目的の長さまで切って仕上げます。その時はあらかじめ切る所に印を付けておくと便利です。
上部のコンデンサーは同軸ケーブル(5D-2V) の芯線を使て作ります。銅パイプに3cm入れた所で共振しました。
共振部にコネクター(MP-7)を付けるのですが、少しペンチで凹ませて、タップ・ビスを使って止めます。それから半田付けをすると簡単に付きます。給電コイルは1.6mmの錫メッキ線を14cm使いました。
コネクターには5D-2V 芯線を 5cm使います、これに給電コイルを半田付けして出来上りです。調 整
組み立てが終わったら、外側の共振部を144MHzに共振させる必要があります。
予備調整として、デイップメーターを持っている人は144.2MHzに共振するように、コンデンサーの所を調整して下さい。
別の方法としてはあらかじめ144MHzの信号を受信し、その信号が大きく聞こえるようにすると合わせられます。
仕上はSWR計でSWRを下げるわけです、共振点でSWRが完全に下がらない場合、給電コイルの大きさを調整します。
初め、大きめに作ってSWR計を見ながら小さくして行く、と効率良く調整する事が出来ます。SWRを下げると共振点も動くので、目的の周波数でSWRが下がるようにします。
最終的には[1.0] まで合わせられます。でもかなりクリチカルなので[1.2] まで下がれば良いでしょう。
SWR[1.5] の範囲が400KHzしか無いのでSSB用にしか使えません。FMでは特定の用途(クラブ・チャンネル等)に使える程度でしょうか。バンド幅はあまり取れません。使うと
FM10Wで3分間送信していると上部が少し温まって来ました。10W以上のパワーでは無理のようです。
SSBでは短時間の運用なら50Wでも使えます。
平屋の室内からですが、手で信号の強くなるポイントを探りながら運用して見ました。アンテナは垂直偏波なので立て使います。
10WSSBで50Kmの固定局、移動局は70Km離れた局とQSOが出来ました。
50Wでは移動局130KmとQSO出来、さらにコンディションが上がれはかなり伸びると思います。
室内手持ちでこれだけQSO出来るのですから「リッパ」ではないでしょうか。
使った感じとして、10Wでは弱い局とはQSO出来ないが50Wなら聞こえていれば、弱いCQ局でもQSO出来ております。
ただ、超小型なのでこのアンテナを外部に出して使うには能力不足です。このアンテナで「遠距離QSOもビシビシ出来る」とは行かないのが残念です。適材適所で使うべきでしょう。
このアンテナは面白いと思います。直径約15cmと超小型なのでアパマン・ハムにはFBではないでしょうか。
磁界エネルギーが多く出る様なので他の機器に影響を与えるかも知れません。インターフェアには注意して下さい。
固定局でもひま見て「MLアンテナ」を一本作っておく事をおすすめします。 73/88
材 料 表 コネクター MP−5 1個 タップビス 3X5mm 2個 銅線 1.6mmφ 15cm 銅パイプ 6mmφ 0.5mm 50mm 同軸ケーブル 5D−2V 10cm 00/3/1 制作
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