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50MHz用 60cm長モービルホイップ・アンテナ

全体の写真  市販のモービル用アンテナは色々ありますが、1m前後の物が多く出回っています。
 ホイップアンテナは短くすると性能は低下するので、市販品は長いものを多く見受けます。でも車で走っると長いアンテナはけっこう邪魔です。友達同士の連絡用に短いアンテナが欲しくなりました。普通のドライブでは、車間距離が開いても1km程度ですから短い物で十分です。

 短いアンテナを持ってなかったので、この機会に作って見ました。色々と便利に使えるので紹介しますぜひ作って利用しましょう。

[ 6mバンドなので60cmなのだ ]

 グラスファイバーの釣り竿で、ちょうどコネクターに入る所が60cmの長さだったのでこれをそのままホイップアンテナにしました。この程度の長さが有ればEスポはもちろん通常のQSOにも使えそうです。
 6mバンドを運用してますと、何故か[6]とか[50]という数字にこだわりたくなります、これは病気でしょうか・・?

問題点

寸法図
アンテナを短くすると次の問題が発生します。
1.共振周波数が高くなる。
2.Rが低くなる。

 1]は、コイルを入れて周波数を合わせれば良いので、今回は銅線を螺旋状に巻き付ける方式にしました。又、コイルのスペースを取って熱を分散させ、50W運用にも対応出来るようにした。
 2]はLかCのマッチング方法が有りますが、L(コイル)マッチの方が簡単なので、マッチングは「Lマッチ」としました。エレメントのコイルは霧ぐらいでも使えるよう熱収縮チューブで防水仕上げにしています。

 電気的な問題は以上ですが、より飛びが増すように、アンテナ先端の電位を上げる為、20cmはパイプ状にし太くしました。ここのパイプは銅箔テープを利用しています。

[ 部品の材質と収集 ]

先端の写真
 コネクターはMP−5を使います。これに入るグラスファイバーの釣り竿が必要です。
 釣り竿は3.5m程度の物を使うとFBで、この中の適当な太さの所を切り出して使います。竿の一部しか使わないので、他は別のアンテナを作る時利用して下さい。
 今回は0.6m長で製作しますが、希望により0.4mや0.8mでも製作方法は同じに出来ますから長さの変更は自由です。

 先端はパイプを使っても良かったのですが、サンハヤトから出ている低周波シールド用銅箔テープを利用しました。200*25mmを切って付けます(写真は銅箔テープを張り付け、それにコイルを半田付けした物)。
 これはのりが付いたシールで、紙をはがしてそのまま貼り付けられます。手に入らなければ薄い銅板を接着剤で付けて下さい。
 コイル部分は1.2mmの銅線を使いました。1mmでも同じ様に出来ますので手持ちの物を利用して下さい。
 熱収縮チューブは黒色の物しか手に入りませんでした。探せば透明の物もありますので好みの物を利用して下さい。

[ 加工と製作 ]

マッチング部分の写真
 材料が集まったら製作です。構造は簡単で図を見れば分かると思います。
 始めに釣り竿から利用する長さを、コネクターに合わせて切り出します。緩すぎたり入らなかったりする場合が有りますが、ここは慎重に切ります。

 接着剤で多少の緩みは押さえられるので、少しきつめに切って、後で切り合わせるようにするとFBに出来ます。
 先端に銅箔テープを貼り付けてアンテナの形が出来ました。コイルの銅線を通す穴もここで開けておきます。穴はコネクターから20mmの所に線が通る太さです。
 コイルは銅線、2.4mを密着で約70回(グラスファイバーの太さで変わる)巻き付けます。しごきながら均等にスペースを取りながら伸ばし先端の銅箔テープに半田付けします。
 コネクターの所にマッチング用コイルを付けます。ここは5回巻いて穴の所に半田付けします。

[ 調整の手順@ ]

調整のし方@

調整のし方A
SWRを下げる
 SWRを合わせるのにアンテナアナライザーが有れば調整が効率良く出来ます、持っていない人は友達に借りるとFBです。

A》まず、共振周波数を50.0MHzに合わせます。車に付けてSWRを測り、周波数が50MHzに近ければOKとします。周波数が低すぎる場合、50MHzに合わせる為に先端を切リます。
 周波数はコイルを下部に集め、上部を荒くすると周波数を下げる事が出来ます。ここで前後1MHzぐらいの調整が可能です。
 周波数はSWRカーブの凹んだ点で、ここを50MHzに合わせます。もし周波数が低い場合は、コイルを少し切って周波数を50MHzに合わせます。

B》次にSWRを下げるのですが、マッチングのポイントは約4回に有ります。3.5と4.5回の点を測定すると73-41Ωとなりました。
 コネクターを回してSWRが下がる点を探します。この段階でSWRは1.2以下まで合わせます。

C》コイルを伸び縮みさせ、熱収縮チューブを差して(熱を加えない)SWRを測ります。ここで周波数を50.8MHzに合わせます。もしSWRが上がってしまったらBの調整をもう一度調整してSWRを合わせます。
 念の為、最終調整は回り10m程度何も無い公園や土手の上等で調整して下さい。

[ 調整の手順A ]

SWR図
材料表
材 料詳 細数量
MコネクターMP-51個
釣り竿グラスファイバー製の一部60cm
銅線1.2mm3m
銅箔テープサンハヤトから出ている低周波シールド用*
熱収縮チューブ釣り竿の太さより1回り大きい物*
チューブを被せた所
D》ほぼ調整が出来ました。
 ここでマッチングの状態をメモして、コネクター部分を分解します。接着剤を使ってコネクターと釣竿を完全接着して、元のように組み立てます。

E》下から10cm程度の所に熱を加え、熱収縮チューブをちぢませて、SWRの変化を見ます。少し周波数が下がると思います50.5-6MHzになればOKです。
 熱収縮チューブは125℃と書いてあります。もしドライヤーの温度が上がらない場合、空気取り入れ口を押さえると温度が上がりますのでお試し下さい。

F》ここまでOKであれば、すべて熱を加えてチューブを固定します。先端部分は周波数変化はほとんど有りません。
 チューブはたて方向にも収縮するので60cmより長めにしておく必要が有ります。長さ2割程度余裕を見た物を用意して使って下さい。余った分は切り取ります。
 先端部分は加熱しながらチューブを中に押し込むとふたとなって固まります。
 アンテナの先端が細くなっているので、熱収縮チューブ1本では先が緩くなりました。この為一回り細いチューブを用意して重ねて使いました。

[ 試し運用 ]

 製作した物はSWR表の様にFBな特性です、以前製作した1.2mのアンテナと比較しました。
 結果は長さが半分なので、かなりゲインが下がるだろう!と思ったのですがSで一つ程度しか下がらず、まあまあの結果になりました。

 日曜日に使って見ると50Km程度の移動局とは2.5Wで59*59でQSO出来ました。走りながらはワッチ用としても十分楽しめます。危険ですから走行中は交信しないで下さい(必要なら、車を止めてQSOする事)。
 この調子なら6月頃のEスポでも十分使えそうです、今後もも楽しみです。6mでお会いしましょう!  88 & 73

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