TVのアンテナに使うステー線を利用して、これをアンテナにしようと誰もが考えますが本当にアンテナにする方は少ない様です。
一度雑誌で見たことが有るのですがかなり古いことで記憶が定かではありません。以前からこのアイデアは持っていたのですがなかなか実現出来ませんので「何方か試していただけませんか!」
と言うことで、ここにアイデアを並べて見ました参考にして下さい。パソコンソフトMMPCを使ってこの「アンテナはどんな特徴を持っているのかを調べて見る」事にしました。
ここで使ったMMPCはJA1WXB、松田OMが作ったソフトで詳細は松田OMが開設しているサイトをご覧下さい(ここでソフトも手に入ります)。
形がピラミッドなのだ!
このアンテナは中央に主柱があって回り4方向にステー線が図の様にあります。(図ではTVアンテナを省略)
「ステー線がアンテナになっている」とは一般の人には分かり難くFBなアイデアですね
給電部はデルターループの下側に付けています、これの方が調整するのに作業がし易く楽だからです。
このアンテナは通常屋根の上に設置する感じですから、そんなイメージでご覧下さい。周波数は慣れている50MHzで各部を検討しました、これはHFでもかまわないので作る方は周波数の変更をして下さい。
ボタンは少し位置をずらして見ることが出来るようにしました、これで少し立体感がつかめると思います。
(この図はMMPCで描いた物を写した物でDATAも有りますのでMMPCを持っている方はコピーして(File名を'pm6m.ant'にする)作動させて下さい。
XYZの簡単な計算道具(斜辺の長さを求めるのに使う)アイデアはFBだが!
このアンテナはデルタループを2個重ねた構造で一方がリフレクター(反射板)として働きます。
通常デルターループ1ELの利得は0.9dBdです、デルタループ2ELでは約5dBdになり大幅に増加します。
でもこのアンテナは図の様に上部が接近しているので利得の上昇は期待出来ません。このアンテナをMMPCで計算すると図の様に3.37dBdとなりました、1ELのループより利得は増加しているので、まあこんなものかもしれません。
【 この図(MMPCの計算結果)の見方 】
- [計算開始]はその物ずばり計算を始める
- 周波数は計算の周波数を入れる
- 下の行は計算実行の経過表示
- 時間はパソコンの処理時間を表示
- セグメントはアンテナ計算の各ポイント数
- 下の表が計算結果
- No は計算回数(何回目)
- Freq. は周波数
- R は抵抗分(Ω)
- jX はリアクタンス
- Gain は利得(dBd)
- F/B はフロントバック比(dB)
- -3dB は半値角度(°)
- SWR は50Ωに対する物
アンテナの評価
この表を見るとリアクタンスが122Ωに成るのでマッチングが必要になるのとFB比があまり取れないのが気になります(計算事態は色々試したのですがFBな点を発見出来ませんでした)。
利得、FB比があまり取れないのが触手が伸びない原因でしょうか。
逆に見れば「FB比が取れない事は」アンテナが固定されてしまうこの方式(ステー利用)には利点と言う見方も出来ます。
一方、ループアンテナなので八木系より飛びは地上高が取れない時有効でしょう、屋根上を利用出来ると言うメリットも有るのでスペースが取れない方に全体として見れば、このアンテナは朗報かもしれません。作るには
マッチングはLCを使った回路が簡単です(50MHzではQマッチも利用出来ますね)。
50MHzの場合 L=0.19μH(60Ω) C=31PF(101Ω)
21MHzの場合 L=0.45μH C=75PF と成る。
コンデンサーはエアーバリコンで調整出来るようにして置くと便利でしょう。実際の設置場所は屋根の上になると思われるので、多小影響を受けるので計算よりも調整はずれるかも知れません(場合によってLの方も少し調整が必要)。
給電部はループアンテナなので1:1のバランを入れて下さい、市販品、自作を問いません必ず使用して下さい。
ここではMMPCを使って50MHzで計算しました、HFでも同様の性質が得られるはずです。
TVアンテナなどステーをとっている方は利用出来ると思うので寸法を変更して試し下さい。アンテナは立体構造をしているのでMMPCのDATAを変更するには手間取るかも知れませんが、計算したい方は周波数比から割り出して下さい。
ここに出した例を直ぐ使えるものでは有りません、各自のアンテナの角度はそれぞれ異なると思うのであくまで参考として下さい。
このアンテナの性質を知る上で「今回の計算レポートが役に立つ」事と思います。99/03/30
(To Antenna menu) [Home]