50MHz FM用 1/2波長 アンテナ


全体写真

【初めに】

 144,430MHzのFMで入門した方が50MHzでも同じ感じ感覚で楽しむにはFMモードがおすすめです。

 ただ、このバンドは波長が大きいのでアンテナが大きくなり高性能なアンテナを手軽には使えません。
 従って、飛びはかなり制限されQSO相手も少なくなります「6mバンドはローカルバンド」といわれるのはこの為です。
 その代わり430MHzの様に「QSO中に誰かが急に出て来る」という事も無く、バンドも広いので「50MHzは使い放題」の感じでFBです。
 こんなFMモードはローカルQSOが主ですから偏波はアンテナを回す必要の無い垂直偏波(GP系)を利用すると便利です。

給電部

 SSBはそこそこ飛びますがFMモードはそれほど飛びません、というかラグチュー専用の感じで使われています。
 SSBは皆さん水平偏波を使ってますから、GP系のアンテナではQSOし難いのです。でもEスポでは偏波の差は少ないのでSSBを使って結構楽しめます。

【こんなアンテナです】

電気的な回路

 製作は当初1/4波長の物にしようかと思ったのですが、もっと長い1/2波長の3mとしました。
 この程度なら作ってもそう手こずる事もないと思います、全体はアンテナエレメントと給電部からなっています。

 動作は良く知られている「ダイポールアンテナ」です、ただ給電する所が中央ではなく端で図や写真の様に下側から直接給電しています。
 マッチングは共振回路にタップを出して合わせ、50Ωの同軸ケーブルで引き出します、共振はエレメントの長さで又インピーダンスはタップの位置でそれぞれ合わせる事が出来ます。
 難しい所は給電部でこれは図に示したので構造を理解して下さい。

寸法図

【 部品を集めて製作しよう 】

 材料はアルミパイプと給電部分で、アルミパイプは16mmと10mmを使いました、ここは16,13,10mmと3段にしても良いと思います。

コネクター取り付け寸法図 寸法図

 接続はジョイントか単にビス止めでも良い、ここではタップビスを使いました。
 給電部は塩ビの水道管(VP-16)を使います、コイルは銅線で9回巻きです(約1.1μH/350Ω)、巻き終わったらずれないようにエポキシ樹脂系の接着剤で一部固定して下さい。

 他にタップビスと圧着端子で接続しています、Mコネクタは銅板(0.8mm)で取り付けています、ここはアルミ板でもOKです。

 コイルは保護の為に一回り大きなキヤップを穴を開けて使います、バンド幅がかなりブロードなのでアルミパイプの長さは2.9又は2.8mにしても合います。
 コイルやコネクターの取り付けは図を参考にして製作します、特に気を付けることは「巻き数」と「巻き幅(35mm)」で後は正確でなくても調整すれば作動します。

マッチング

 16mmの水道管を使ったので直接取り付けても良いのですが、もし強度が不足なら25mmのアルミパイプに入れて補強しましょう。
 これらの材料はほとんどDIYで手に入ります、Mコネクターはハムショップですけど。

【調整方法】

  このアンテナで調整出来る所は次の3つです。

A.エレメントの長さ
 これは周波数を決める所でほぼ1/2波長に短縮率を加味した長さにします、50MHzですから2.9mとしました。

B.同軸ケーブルの長さ
 LCを使って周波数を合わせます、このアンテナはコイルが固定、コンデンサーを変化させて合わせます、ここに使うコンデンサーは同軸ケーブルの芯線と編線をコンデンサーの代わりとして使います。

C.タップの位置
 これは50Ωのマッチング用で下から1.5-2.3回にマッチングポイントがあります。

 これらA,B,Cを変更して周波数及びSWRを下げます。
 目的の周波数でSWR[1.3]以下に調整します、高さによって周波数が変わりますので始め少し低めの周波数に調整し最終調整で目的の周波数に合わせて下さい(一般に地上高く上げると周波数は上がります)。

SWR

 [C]のタップの位置を固定にしたので半田を外して変更するのは意外と面倒です、SWRを完全に下げるにはBとCを相互に調整する為にかなりの手間が必要です、SWRを[1.3]まで下げれば後は性能は同じですからこの辺が目安です。

 このアンテナは地面の影響を強く受けるので使う高さで調整して下さい、といってもSWR曲線はかなりブロードなのでSWRは「主に使う周波数範囲がSWR[2]以下に下がっていれば合格」とします。

【使って見ました】

 FMの方は垂直偏波なので問題無く飛んでくれます、SSBはほとんど水平偏波を使っているので相性が悪く飛びません、それでもSメーターが振れている局とは交信出来ました。Eスポの様に信号が強い場合まったく問題無く使えます。

 弱い局の場合聞こえていても飛ばない(応答が無い)事が有りますが、偏波が異なるとその状況ははっきり出ます、やはり偏波が合わないと不利です。

 このアンテナは主にFM用として製作しました、ローカルQSOには十分です、SSBの方は(バンドの低い所)偏波が違うのですが使えますのでFMに限らずQSOを楽しんで下さい。

1997/11 html変換、 2009/5/29


材料表
材 料詳 細数量
水道管VP-1630cm
同キヤップVP-25 用1個
アルミ管16mm1.5m
アルミ管10mm1.5m
銅板30*50mm0.8mm厚
銅線1.2mm1m
コネクターMR1個
同軸ケーブル3D-2V20cm
タップビス3mm9個

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