50MHz用 JA1GHP type HB9CVの製作


始めに

 JA1GHP、大野氏が開発したHB9CVは50MHzで4,5,6,7ELのアンテナがあります。
 この内良く使われるのは4EL,6ELであり、5ELをのぞいて一通り作って見ました。

 この6ELはJCCやJCGを稼ぐのにおおいに役立ち、 このアンテナ無しで、私の6mのWACA(全市交信)完成はありませんでした。
 最後のJCC,JCG共にこのアンテナでゲットした「思いでのアンテナ」です。

 製作はオリジナルを真似したのですが手持ちの部品を使ったので若千寸法が変わっています。

 アンテナは2ELよりもエレメントを追加した4ELにすると一段と利得が上がるのが分かりました。更に6ELにするともっと利得が上がりFBになりました。

 私はこのアンテナを軽く仕上げて主に移動用として使いました、ローカルを始めマニアの間で当時広く使われた物です。

6EL寸法図 4EL寸法図

 1985-90 年にかけてこの多エレメントのHB9CV はマニアで使われてましたが、当時YAGIアンテナ以外の市販品は無く、この手のアンテナが市場に出るのが望まれていました。

 そんな要望が届いたのか「コメット社」から4EL,6EL のアンテナが次々と市販され、このアンテナは影が薄くなってしまいましたが「このJA1GHPアンテナがJAの6m界にインパクトを与えた事実を忘れてはならない」と思います。
 もちろん発明者のHB9CV R.A.Baumgartnerさんと共に感謝しています。

  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 当時JA1GHP大野さんは真空管式、直下型プリアンプ(トランジスターでは無い)を使っていました。
 1985年頃QSOした時のリグは八重洲無線FT-690+リニアアンプで運用されてました。

材 料

エレメントクランプ ジョイント

 オリジナルはHB9CV(給電部)も自作されていますが私たち(JF1WSV,JS1MLQ/移動仲間)は市販のHB9CV を使い、エレメントを追加する方式にしました、これの方が手間も掛りません。

 現在HB9CVは数社から発売されています、何処のメーカーでもかまいません。

 アルミ管は移動用ならあまり太くする必要もありません、太さはブームで25mmφで十分です。

 エレメントは16mmφだが出来るだけ軽くする為一部細くして使っています。
 DIYのお店だと10,13,16,19,25mmφの物が手に入ります、ハムシヨップでは 10,12,14,16,18,20,22,25mm φのパイプが売られています。

 エレメント・ブラケット(ブームにエレメントを付ける金具) は市販品が手に入りにくいので少し大き目な物や、TVアンテナの中古を使ったり小さい物でも手に入った物を使って下さい。

材 料詳細数量
アルミパイプ25mmφ 2m3本
アルミパイプ16mmφ 1.5m8本
エレメント・プラケット16mm4個
パイプ・ジョイント25mm用2個
マストクランプ25mmを止める物1個
メーカー製HB9CV何処でも可1組

 私のは以前使っていたアンテナの材料を再利用しています。

 ブームは5mを超えているので前後が少したわんで下がりぎみです、ここは人によってつり上げて使っている人もいます。
 移動では多少下がっていても組み立てが簡単になるのでこのままで良いと思います。

  ☆     ☆

 4ELの場合D1,D2の間隔が6EL と少し異なっています、エレメントの位置とマストクランプの位置が変わる点に注意します、切り替えるのはめんどうです。

 このアンテナは[コメット社の4EL とは寸法が異なります](念の為)。

調 整

SWR図

 アンテナは前方にエレメントを4本付けるのでインピーダンスは変わりますからそのままではマッチングが取れません。

 従って、マッチングを取る為にシヨートバー の位置を変更し調整しなければなりません。
 大野氏の話では「シヨートバー の位置を広げる」とのことでしたが、私のはかなり狭めないとSWRが下がりませんでした。
 調整後はSWR図のように[1.0]近くまで下がっています。

 調整後のシヨートバー の位置は中央から215mm の間隔を取った所でマッチングが取れました。

 HB9CVはマルドル社の製品を使ったのですが(96/Jan 現在で売って無い)調整後、共振点が上がってしまったので15mmづつRaを追加して長くしました (寸法図は変更後の物です)。

 使用する周波数でSWRが[1.5]以下であれば使えのでその辺が調整の目安です。製品によって調整は微妙に変わりますのでDataは参考程度にして下さい。

運 用

移動時の設定前

 飛びの方は「FBの一言」このアンテナを使って多くの局と交信しています。
 左の写真は組み立て前の状態です、バックに出ている絵はアンテナを建て下から写した物で3と4番目のエレメントが接近しているのが特徴です。

 パソコン(MMPC)で調べるとオリジナルのアンテナで9.1dBd私が作った物が8.7dBdとほぼ同じ値になりました。
 幾分オリジナルの物が良いのはエレメントが太いのと長めになっている為です。

 7エレは組み立てが更に複雑になり、たった1エレメントなのですが手間は 2-3割増しとなり、移動先で組み立て時間が掛り、その割に利得の増加はありませんのでほとんど6エレメントの状態で使っていました。
 お手軽移動は4エレメントにして使い、一応 2,4,6,7エレメントで使える様にしてあります。

 GWの飛びとして、栃木県から西は愛媛県や広島県、北は秋田県や岩手県、岩木山移動の青森県までがこのアンテナでゲット出来ています。

99/3/21 html変換  


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