144MHz,430MHz & 50MHz |
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このアンテナは、構造的に簡単ですが調整は意外と難しいので少し慣れた方向けのアンテナです。
【短いアンテナが欲しい!】
以前ローカルと遠出をした時、2m用の短いアンテナを見せていただきました「私も欲しい!」と思ったのですがその後すっかり忘れてしまいました。
短く切った水道管がありましたので「これで2mのアンテナを作ろう」とトライしました。
所が簡単ではなく色々と試したのですが、結局SWRは下がらず再び箱の中へ戻したのです。数ヶ月経過したある日、インピーダンス計をいじっていたら「2mのホイップを調べて見るか!」とその気になって暇にまかせて測って見ると「何んと!」とんでもない状態に成っていました、これではSWRは下がりません。
何とかならない物かと共振点を探っていくと「130MHz」とかなり低い所にさがっていました。
もしかして「これを引き上げれば何とかなるかも知れない」と期待しながら周波数を上げて行くとSWRも下がって来たのです。調子に乗って今度はマッチングを合わせて行くと、ストーンとSWRが下がってくれました。
結果はSWR特性図にある様にFBな状態でローカルQSOには十分な状態です。
初めは144MHzの説明です 【構 造】
このアンテナの動作は1/4波長の短縮アンテナです、アンテナの長さは7cmですから短縮率は約14%と非常に短いです。
小型=便利、ですが逆にいえば電波の出る所が少ないので強く飛ばすことは出来ません。それでも接近した車間とかローカルQSOは問題なく出来ます。
なをコイルは単に巻き付けただけでは、線がふらふらして調整が出来ません、そこで前後に固定する端子を付けて見ました、これが特徴です。
これで調整中に共振点がずれることも無くなりました、更に最終調整が出来るように少し巻き加えています。
材 料 表 材 料 詳 細 数量 水道管 VP−13
(430MHzは5cm)
(50MHzは15cm)10cm コネクター MP-7 1個 ビス 3*10mm 1個 タップビス 3*7mm 1個 圧着端子 3mm 2個 銅線 1.2mm
(50MHzは2m)1m コンデンサー 15PFセラミック
430MHzは5PF
50MHzは30PF1個 【材 料を集める】
コイル部分に水道管、塩ビパイプ/VP-13を使います、これはホームセンター(DIY)でかなり安価で手に入ります。
VP-13の内径は13ミリなのでプラグはMP-7を使います、ちょうど外径が13ミリなのでぴったりです。メーカーによっては入りにくい物がありますがこの場合、ガスこんろで水道管全体を加熱してやると柔らかくなり、無理に押し込むと広がって入ります。
入れたらそのまま冷やして使います、火を使うので熱くなっていますから作業中は火傷をしないように必ず手袋を使って下さい(夏でも)。給電部はリアクタンス補正用にコンデンサーをいれました。
コンデンサーはハンデイ機5W又はSSB10Wで使うので安価なセラミック・コンデンサーを使いました。銅線は太さ1.2ミリの物を使います、これは手持ちの物を使って下さい。
【作り方】
水道管を10cmの長さに切り、下から5mmの所とその上50mmの所に2.5mmの穴を開け 3mmのタップビスでネジ山を切ります。
この時コネクターも穴を開け 3mmのタップビスで開けます、普通のねじを使う場合それ用のタップを切って下さい。
穴には3mmの圧着端子を付けます、下に銅線を半田付けして巻き始めます。コイルは11回目で上の端子を付けた所に半田付けします、更に2回巻いて線を切ります。
コンデンサーはコネクターに付け、水道管に1mmの穴を開けた所を通し、水道管とコネクターを取り付けます。
この時接触しないように中に葉書を切った物を入れ絶縁材とします。これで手順が分かりました、理解出来ましたら実行して下さい。
【調 整】
このアンテナはモービル用なのでラジアルがありません、ラジアル効果のあるいつも使っている車で調整して下さい。
給電点(コンデンサー)は下から0.7回の所に取りあえず接続しておきます。
A.まずSWR計を使って共振点を144MHz帯に合わせます。
共振点はSWR曲線が一番下がっている所でそこがそのアンテナが共振している所です。
コイル全体を下の方へ下げると共振点は下がります、それでも下がっている場合、上部を5mmづつ切って共振点を上げていきます。B.共振点がバンド内に入った所で今度はSWRを下げる作業です。
給電点の位置を変更してバンド内のSWR特性を見ます。すると共振点がずれますのでバンド内に入るようにAの作業をして再びSWRを見ます、これで下がれば同じ方向に5-10mmづらして再度SWRを調整します。これを何回か繰り返すと[1.3以下]になります。書くと簡単ですがこれは結構手間が掛かります、車と半田ごてのある所を何度も往復することになります、がんばって下さい。
【仕上がったら】
エポキシ系の接着剤で固定するとFBです、全面に付けると共振点が下がりますので、前後2点程度で良いと思います。
共振点が下がつた場合、最終調整で上部を少し切って希望の周波数に合わせて合わせ出来上りです。防水の為にビニールテープを巻いても良いのですが、このままでも「いかにも手作りの感じがする」のでローカルに見せて話のタネにしてはいかがでしょう。
ハンディ機では変換コネクター(MJ−BNCP)を使えば利用出来ます。「製作」と「調整」そして「QSO」を楽しんで下さい、そうです楽しさも3倍以上です。
144MHzに続いて430MHz用です 動作や作り方、材料はほぼ同じなので説明を省きます。
ただ周波数が高いので巻数が少なくなるのと、全体が短くなる程度です。水道管も10cmから5cmと短くしました、巻数もゆったりさせます、こちらは短縮率約20%程度になりました、バンド幅も十分取れます。
巻き数は4回でタップの位置は0.5回にしてあります。
給電部のコンデンサーは5PFです、銅線は今度は1mm錫メッキ線を使いました。【調 整】
給電方式は2mとは逆方向に巻き付けて見ました、これはどちら向きでも構わないわけです。
なをマッチングは簡単そうですがこちら430MHzも調整にはかなり時間が掛かりました。
SWRの調整は2mの物と同じで初めに共振点を合わせ、次にSWRが下るよう給電ポイントを探します。
2mでは巻き方向へ給電分から延ばしてマッチングを取りましたが、今度は逆の方向へ延ばしてマッチングを取ることにしました。
難しい点は、同じポイントでも方向が異なると全くSWRは下がりません。水道管から引き出す点を変更するとポイントが変る為かSWRは下がりませんでした。
従って、最適SWR点の近くに穴を開けて作っても再度FBなポイントを探さなければなりませでした。
この辺がややっこしい所!でも面白い所でしょうか、色々と試して下さい。【仕上げに付いて】
SWRは[1.5]以下なら実戦用として十分です、後は暇な時に挑戦して下さい。
レピーターもアクセス出来ますので、メーカー製のホイップアンテナの代わりに使えます。
私のCQが聞こえてましたら呼んで下さい、その時は宜しく! 88&73
50MHz も作って見ました 【材料と作り方】
作り方の基本は144、430MHzと同じなので省略します写真を参考にして下さい。
水道管は(VPー13)でこちらは周波数の関係で長くなり15cmにしました。
使う銅線は1.2mm(#18)使い40回巻きました、タップの位置は1.5回めにしてあります。
巻き方は接触しないように注意して下さい、エナメル線(PEW)等を使うと安心です。マッチング用のコンデンサーは30PFのセラミック・コンデンサーを使います。
10Wを越えて運用する場合マイカコンデンサーを使って下さい。【調 整】
基本的には144MHzと同じです、机の上ではデイップメーターで共振点がわかりますので持っている方は利用して下さい。
共振点が鋭いので必ず使う車に付けて調整します(他の車で調整し、それを使うことは出来ません)。
A.共振周波数をさがしてバンド内に調整します(巻き数を変更する)。
B.SWRを下げる為にタップの位置を調整します、これを数回繰り返してSWRを下げます。最終的には50.2MHz に合わせます、バンド幅をあまり取れませんのでSSBバンドを優先させます。
作った物はSWR[2]以下の範囲が約200KHzしか取れませんでした。
50MHzは他にも短いアンテナを作っていますのでそちらも比較して製作して下さい。【運 用】
非常に短いアンテナなので入って来る信号はかなり弱いです。
でもSメーター[5]程度振って来る局とは問題なく交信出来ました。使い方としては主にバンドワッチ用に使うとFBです、いざという時には大きなホイップアンテナと交換して運用するのが良いと思います。
山岳移動局等強力に聞こえて来る局とは結構簡単にQSO 出来ますので楽しめます。
6mのモービル運用を楽しんで下さい。50MHz用は極端に短く、効率も悪く調整も難しいです。アンテナ製作初心者は6mの場合50cm以上の長さがあると、感度も良く製作も楽です。
【お願い】
使った材料ですが「水道管」を使いました、これは塩化ビニールで出来ています。切れ端など処分する場合です、 燃焼時ダイオキシン(毒)が出ます。
個人で焼却せず必ず「市町村の燃えるゴミ」として処理して下さい、高温で処理するとダイオキシンが出ない。ゴミ処理施設ではこの様な対策が取られているそうです。V 1.0 1995/10 にVB版を製作。
V 1.1 95/11 50MHzを追加する。
V 2.0 97/5 Himawariに移植
V 3.0 99/4 HTML変換
2009/6 HPへ