HFハイバンド用
T2FD(変形タイプ) アンテナの製作

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 全体の構造

全体図

 アンテナの基本はダイポールです、給電部分が比較的高いインピーダンスになっている変わったアンテナです。

 左図はオリジナルと変形した物ですが、オリジナルが先端を2個所で保持するのに対しパイプを利用するこの方法はマストポール1本で簡単に上げられる点がミソです。

 構造はパイプと銅線を使って先端を吊り上げてループ状にして使います。

 形状は平らな感じの二等辺3角形で比較的地面の影響が少なく、飛びもFBでSWRも各バンド共に下がっています。

 用途はローカルコンテストや夏までのEスポ用としました、移動にも使える様に全体を出来るだけ軽く作ります、もちろん家で利用するのも良いと思います。

拡大写真


 材料と動作に付いて

 21MHzを中心にすると長さはダイポールの場合3.5mとなります、製作したのは材料の関係から片側4m(3.94m)にしました。

寸法図

[ 寸法図 ]

 ここは3-5m程度と適当な長さでかまいません、長ければ長い程低い周波数に有利で、都合が付けば出来るだけ長い物を製作される事をお薦めします。

 アルミパイプはDIY(ホームセンター)で扱っている16,13,10mmの物を使いました。

 給電部は絶縁させる材料としていつもの水道管(VP-16)を使う事にします、これは安くて何処にでも売っています。
 「VP-16」と指定すれば2mの物が売っています、お店によってもっと短い物も売っているので必要量を購入して下さい。

回路図 コア部分回路図

 1:9のバランはコアに同軸ケーブルを巻き付けて作ります、最低動作周波数を7MHzとしました、このコアは特殊でパーツ店又は通信販売で手にして下さい。

 終端抵抗は450Ω前後ですから200Ω5Wの酸化金属皮膜抵抗2個と100Ω3Wを直列にして合計13Wとにしました、これらの抵抗は水道管(VP-13)の中に入れて使います。

 アルミパイプを吊っている銅線は1.2mmの太さにしました、高さは0.5m取ります。

 パワー的にはSSBで休みながら使って21MHz以上で40W、14MHzで30WMaxでしょう、これ以上のパワーでは発熱が気になります、瞬間的は50Wでの使用も出来ますが連続送信には注意して下さい。

 100W程度で使う場合は抵抗は50Ω5W10本を直列にして使用します。

 [使った材料]を表にしました。(文字をクリックして下さい)


 製 作

1:9のバラン

 アルミパイプは表面が錆びにくい様に普通アルマイト加工がされています、接触部分が確実になるようタップビスでしっかり接続します。

 パイプの長さは使える材料によって決めますが製作した物を参考にして下さい、パイプ間の接続は10cm程度取れば十分です。

 バラン(14KB)はFT-43-115のコアに1.5D-QEV同軸ケーブル(QEV=耐熱ですが普通の物で良い)を4回巻き付けて利用します、簡単に作る為に4ッ目の基板を利用してプラスチックのケースに入れました、止めたのは接着材(ボンド)です。

 終端抵抗(6KB)は3本の抵抗(200Ω 5WX2,100Ω 3W)を使いましたが接続は圧着端子で接続して下さい、はんだ付けもしますがこれで発熱によって外れるのを防ぎます。
 これらの抵抗は水道管内に入れてます、発熱があるので放熱の為ふたをしません。

終端抵抗部分

 銅線は1.2mmで先端に圧着端子を両側に付けて固定します、斜辺の長さは簡単な図を書くとモノサシだけで簡単にわかりますが銅線は長めに用意して下さい。
 パイプの先端15mmの所に穴を開けてタップビスで止めます。
 バランと終端抵抗の間、縦幅は約0.5m(0.5m-1m)取ります。

 加工がすべて終わったら組み立てます、構造的には簡単なので図や写真を見て各部を製作して下さい。



 家にアンテナを上げる場合

 HOME(家)で使う場合、アルミパイプは19,16,13mmと一回り大きな材料を使いましょう、これに合う水道管はVP-20です。

 アルミパイプの接続に導電グリス、無ければ自動車などで使うグリスを塗って接続して下さいゴミが入らず長持ちします。

 タップビスも2個所づつ止める等しっかり組み上げると風に対し安心です。

 銅線も太めな1.4-2.0mmの物を使って下さい。


 出来上がったら

 アンテナを建てたら念の為SWRを調べます、SWRが下がっていれば組み立てミスの無い証拠です、帯域が広いので調整の必要はありません。

 製作したSWR値を見て下さい、各バンドで下がっていますこれなら安心して使えそうですね。

SWR

[ SWR表 ]

 このアンテナは18,21,24MHzでほぼダイポールとして作動します、アンテナを回しますと8の字特性が得られ信号が上がったり下がったりするのがわかります。

 50MHzの場合ダイポールよりもかなり長いので十分飛んでくれました、7MHzはおまけですがSWRが下がっていたのでワッチすると家のダイポールに比べかなり信号は落ちています。

 CQを出している局を呼んでみましたがなかなか応答がありません、粘ってなんとかQSOしましたが実用性はあまり無い感じです、当然3.5MHzはだめでしょう、ほとんどダミーロードにエネルギーが消費されるだけかと思われます。

 7MHzの場合電位を考えて見ると、電位の高い所が逆相で接続されているので電波が出難い状態になっています。

 コンテスト等の移動用(68KB)に又家で使う固定用としても使えます、1つ作って置くとFBではないでしょうか。

 14-50MHzまではEスポで国内QSOには十分使えそうなので各バンドに出たいと思います、聞こえてましたらよろしく。


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