24/28MHz モービル・ミニホイップ
予算は 700円程度


全体の写真

 この「ミニ・モービル・アンテナ」も144,430MHzから作り始め、50MHzそして今回と進んで来ました。

 順次ノウハウを得ながら改善しています、50MHzの経験から「HF帯では帯域幅が十分取れない」と予測されます。

 それでもなんとか作りたいと思い、24MHz帯ならバンド幅も元々狭く「出来るかも!」と作り始めました。

 当初50MHzと同じ方法にしようと思ったのですが、作って見ると巻数が不足です、そこで共振棒を付けて実質的に容量を増加させることにしました。

 24MHzを仕上げてから「共振棒を可変にすれば10mバンドでも作動するはず」と思い早速作って見るとこのアイデアうまく作動しました。

 このアンテナはバンド幅が狭いので調整が難しいです、結論を先に言いますとこれらのアンテナを作りたい方は2mや6mのミニ・モービル・アンテナを作り「製作の体験をされてから作られる」と「調整のコツが分かる」ので作り易いと思います。

 構造はそう難しくないので製作は出来ると思いますが、調整はなれないと手間取りますがぜひ「チヤレンジ」して下さい。

構 造

電気的な回路

 特徴である共振棒はスペーサーとアルミ管で出来ており、アルミ管はコイルとの間隔で小容量のコンデンサー(C)を構成します。

 このC成分を調整して共振点を合わせようとする物です。

 24MHz帯はガラス基板を切ってスペーサーとし、立て具合で共振周波数に合わせます。

 28MHz帯は更にアルミ管の中に同軸ケーブルの芯線を入れ、これを出し入れして共振周波数を可変させようとする物です(基板でも同じ様に出来る)。

 こちらはアルミ管を短くする必要があるのですが巻スペースで周波数を合わせました。

材料と作り方

 主な作り方は144,430MHzや50MHzの物と同じです、そちらも参考にして下さい一部説明を省略します。

 材料は他の周波数とほぼ同じですが、共振棒として7mmのアルミ管(又は6mm銅管)を使いますこれは5D−2Vの芯線がちょうど入る太さで28MHz帯で使います。

 構造は比較的簡単なので、寸法図や写真を便りに製作出来ると思います。

 共振棒は支えるのにスペーサーを使います、ここは共振周波数が変わる大事なポイントですが最終的に調整で多少逃げることが出来ます。

 なをコイルの下5回目までは調整用に錫メッキ線を使い他はエナメル線(又はUEW)を使いました。

 部品は下の材料表を参考にして下さい、マッチング用コンデンサーは 24MHzで[56PF],28MHzで[47PF]です10Wまでがセラミックそれ以上がマイカ・コンデンサーを使います。
 (発熱するので出来れば10W以下で使って下さい。)

調整 (24MHz版)

24MHzの寸法図

 巻数は75回にしました、この内上部の約15回分が調整用です、マッチングポイントは下から[2.5] 回目でした。

 調整は初めに、デイップメーターで共振周波数を[25-26MHz]に合わせます。

 次ぎにSWR合わせです、「必ず使う車で調整して下さい」特に共振棒が付いている物は取り付け位置によって共振点が変わるので微妙です。

 仮調整が済んだ所で、下部のコイルが動かないようにエポキシ樹脂系接着剤で固定しSWR計で共振棒とコイルの間隔を調整したり、上部を延ばして共振点を[24.90MHz]に合わせます。

24MHzのSWR

 ここのSWRの幅は非常に狭いのでなかなか合わせずらい所です、SWR[2] の範囲がたったの50KHzしかありません(2H=0.0021)。

 ほぼ調整出来たら上部を2mm単位で切りながら[24.950MHz]に合わせます。

調整 (28MHz版)

28MHzの寸法図

 巻数は60回です、マッチングポイントは下から[3] 回目でした。

 基本的に29MHzに合わせ(24MHzと同様に調整)中の芯線(単なる容量だけの結合)を出し入れして[29-29.3MHz]に合わせます。

 28MHzのSSB帯も長めの芯線を使うことで対応出来ます、両方欲張って動作させましたがこの辺の調整はかなり微妙で時間が掛かります。

 芯線を引き出すとコイルとの容量が増加して周波数は下がります、一方結合容量は引き出され減少しますから周波数は高くなる方向に作動します、この結果動きが拡大され目盛りが大きくなってFBです。

28MHzのSWR

 出来上がったら共振棒に共振点を100KHzづつ印を付けておくと便利です。

 測定器は普通のSWR計でも出来ますが、最近売られているブリジ式SWR計(アンテナアナライザー)を使うと作業が早く出来ます。

出来上がって

 10mバンドでは1/4波長が2.6mで、このアンテナが全長0.17mだから6%程しかありません(12mバンドでは8%)相当短縮されています。
 これでも10Km離れたローカル局とはQSO出来ました、高い所や見通しのFBな所なら更に期待出来ます。

 ガンガン飛ぶアンテナではありませんが、車同志の連絡やバンドの状態を調べるのに役立ちそうです。

 受信はかなりFBでスケルチOFFでノイズを出しながらFMを聞き、アンテナに手を近付けるとノイズが消えるのでかなり高感度で作動しているのが分かります。

 連続送信ではコイルが少し加熱される為か共振点が少し(40KHz)下がりましたのでパワーは10Wで使用して下さい。
 先端は高圧が発生するので送信中に触ると火傷をするので注意して下さい。

 この短いアンテナでオンエアすると話題もふくらんで面白いです、自作とQSOの両方を楽しんで下さい。

 最後に、このアンテナと同じようなアンテナ(14KB)を他にも作っていますのでご覧下さい。


24MHz 材料表
材 料詳細数量
コネクターMP−71個
水道管VP-13220mm
コンデンサー56PFセラミック/マイカ1個
ビス3X20mm1個
タップビス3X10mm1個
スペーサー3X10mm(金属)1個
ガラス基板10X20mm1枚
アルミ管7mmφX190mm1個
圧着端子3mm2個
同軸ケーブル5D−2V50cm
ナット1.2mm(1mm)1m
錫メッキ線1.2mm(1mm)6m
28MHz 材料表
材 料詳細数量
コネクターMP−71個
水道管VP-13140mm
コンデンサー47PFセラミック/マイカ1個
ビス3X20mm1個
タップビス3X10mm1個
スペーサー3X12mm(金属)1個
スペーサー3X10mm(べーく)1個
アルミ管7mmφX75mm1個
圧着端子3mm1個
同軸ケーブル5D−2V50cm
錫メッキ線1mm1m
エナメル線1mm6m

99/3/9変換  


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