☆ 予算 3000円
21MHz ヘンテナ


始 め に

 このアンテナは1994年頃作りました、その後1997にヘンテナの改良版ともいえる「SKYDOOR」を考え付き(詳細はそちらをご覧下さい)、現在はSKYDOORを使っています。

 性能的にほとんど同じでしかも全体の長さはヘンテナの下ループが不要で、図にありますが全体の7.1mの内約1.4mも短くなります。

 作り方等はほぼ同じです。説明や絵などの資料は以前作って残っているのでHTMLに移植しました。(文章はほとんど変更していません)
 全体の製作は参考になると思いますので利用して下さい。

97/4/1_ Ver 2.1 Himawari 移植 
99/5/15 Ver 3.0 html   移植 


全体の写真

 ヘンテナとの付き合いは50MHzから始めましたが、使って見ると「恐ろしく飛ぶアンテナ」というのが印象です。

 50MHzではグランドウエーブで400Kmを越えて飛んでくれることも多々ありました。

 そこで、人気のバンド21MHzではどうかと移動用に作って見ました。

 飛びの方は、別のアンテナと直接比較してないのではっきり分かりませんが、国内外の局とQSO出来てますのでかなり飛びそうな感じを得ています。

 以前から八木アンテナ4EL程度の実力があるといわれてますのでかなり期待出来ます。

 ただ21MHzともなると長さが7mもあって「設置が面倒」という欠点があるのですが一度試されるとFBかと思います。

DPとの関係

動 作

 ヘンテナは2つのダイポールを上下1/2波長に置き、左右を曲げて縦長のループ状にした物にマッチングループを付けた物です。

 エレメント間隔が1/2波長なので位相が逆の関係になり、上下方向への電波が出にくくなりその分ループの正面、および後方にエネルギーが押し出されることに成ります。

 縦長で使うと水平偏波になるので、水平偏波の局とは相性が良くなります。

 ビームは8の字形になり、利得は自由空間で 3dBd程です。

全体寸法図

材料と製作

 材料は手持ちの物を使いました、上下はループの大きさを決めるのとワイヤーを張るのに必要なので太目のアルミパイプ16mmを使いました。

 上のパイプはエレメントクランプを使い、下は単に針金で仮止めしています。

材 料 表
材 料詳 細数量
アルミパイプ16mm 2.3m2本
銅線1.2mmφ(#18)15m
ACコードビニール2m
タップビス3.5mm4個
圧着端子3mm4個
クリップみの虫クリップ2個
バラン1:11個
マストクランプアルミ2個
ACコード20cm(バラン接続用)1本
ポールフジインダストリー 10m程度1本

 パイプは2mの物が手に入り易いのでこれに不足分を継ぎ足しています、全長を2.3mにします。

 縦線は1.2mmの銅線( #18)を使いました(16mmのパイプと1.2mmの線を使えば寸法通りでマッチングが取れると思います、太い線を使う場合マッチングの位置は少し上がります)。

 線は圧着端子を先端に付け、現地でタップビスを使って固定します。

 給電部はAC平行コードを裂いて使い、先端に「みの虫クリップ」を付け上下の調整を可能にします。

 中央に1:1のバランを付けます、ここに使うバランは自作、メーカー製を問いません。
 3線式、ソーター式いずれもOKですがバランは必ず必要です。

クリップ

アンテナの設置

 長さが7mにもなるので長いポールが必要で、今回フジインダストリー社の物を使いました。

 アンテナの建て方は次の通りです参考にして下さい。

1.一番下の部分にステーを取る。
2.アンテナを組立て、ポールに付けて伸ばして行きます。
3.給電部の所は一度調整すれば次回からそこに合わせれば良いので印を付けておきます。

バラン取り付け

4.全部伸ばし切ったら中間からステーを取って補強する。
 10mも延ばすので僅かな風でも危険です、風は「待っていると弱くなる時がある」のでその時に一気に上げてしまいます。

5.給電部の高さは出来れば3.5m以上にすること、これ以下だと地面の影響が大きいです(作動しないわけではないが!)。

比較すると

 モービルホイップ(2.4m)と比較すると、大きさが違うので一概にいえませんがDX(VK)局がSにして1つぐらいヘンテナの方が強く聞こえます。

 グランドウエーブでは30Km程度の局を山の中腹から聞くと水平、垂直偏波の影響が極端に出るようでSにして2つぐらいの差を付けて入感しました。

 いずれにしてもビームを合わせればモービルホイップよりもS1つ以上強く、聞こえない局ともQSO出来ます。

 移動運用はロケーションの良い所で運用するのでアンテナが持っている特徴をフルに引き出している物と思われます。

 HB9CVは利得5dBd あるのでアンテナを14m(1λ)以上に上げればHB9CVの方が良く、それ以下の高さだと「地面の影響を受けにくいループの方がDX局に対してFBではないか」と思われます。

 なを、モービル局は垂直偏波を使っているので当然ホイップアンテナの方がFBです。

調整の手順

SWR

 目標はSWR[1] ですが実用的には[2] 以下なら問題ありません。

A.まずアンテナの「共振周波数がどこにあるのか」を調べます、これはSWRの曲線を見ると分かります。

 もしバンド外になっている場合は給電点を上げると周波数も上がるので合わせて下さい、逆の場合は下げます。
 (10cmの変化で約250KHz変わります。)

B.この調整だけでSWR[1.3] 以下ならそのまま使えます。
 SWRは[3] 以下なら我慢して使えますが、中心周波数で[2] 以上ある場合どこかおかしいので寸法をもう一度調べ直して下さい。

マッチング方法

C.SWRは[1]まで下がりますが、SWR[1.3]から[1] にしても飛びや受信はほとんど変わりません、無駄とはいいませんがかなり手間が掛かりますので程々にして下さい。

D.使うポールが金属で無い場合SWRが下がらない時があるので注意します、途中まで金属を使い後はプラスチック等を使うと良くてSWR[1.5]止まりの時がありました。

出来上がって

 初めに作った物は21.9MHzに共振していました、これを調整して21.2MHzにしたのですがSWRは良くて[1.3]で完全には下がりませんでした。

 念の為、この状態で聞こえている局をコールすると結構QSO出来ました、実用的には十分でしたがその後寸法を変更しました。

 このアンテナは移動用に作りましたが15m以上のタワーを持っている方は固定ビームで使えばFBに使えそうです。

 HFのヘンテナはその形が大きくなるので、コイルを入れた「短縮ヘンテナはどうか」という話を時折り耳にします。
 アンテナの性質上「1/2波長の間隔を取って特性を引き出している」のにわざわざ短くすると、性能がどんどん低下するのが予測されます。

 コイルを何処に入れるか、調整はどうするか等の問題があって、ヘンテナの魅力が急速に無くなります。
 もし、もっと短くというのであればクワッドアンテナを考えた方がましでは何いでしょうか。
    FB DX!


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