18/21MHz 2バンド用(予算1500円)
 超短縮ホイップ・アンテナ

全体の写真

 以前、車で走っていたらEスポで遠方の局が聞こえていたので走りながら聞いていました。

 前方に鉄道が走っており、その下の低いガードを通った時です「ザー」と鋭い音がしました。

 ホイップアンテナが電車のパンタグラフの様にこすっていたのです。

 この時は無事だったのですが一度折ってしまったこともあります、それ以来短いアンテナを各バンドで欲しいと思っておりました。

短縮アンテナが欲しい!

 一度6m、2mそして430MHzでも短いアンテナを作りました、又24,28MHzも作りました。

 今度は「少し変わった物を作りたい」と思いキヤパシテイ・ハット(容量還、以下CHとする)を付けてマッチングを取ろう、駄目で元々と考えトライすることにしました。

 試作の結果は上々で21MHzのSSB用として十分使える見通しが付きました。

回路図

 長さも短く全長21cmと[21]にこだわって作りました、こんなアンテナいかがでしょう。

部品と製作

寸法図

 パイプはグラスファイバー釣竿を使います、これは長いアンテナを作った時のあまりを使いました。

 コネクターはちょうど10D用の物に入りましたのでこれを使います、コネクターに差し込みエポキシ樹脂系の接着剤で固定します、この時給電線を入れるのを忘れないで下さい。

 CHは銅板で作ります、固定金具は燐青銅を使いましたがこちらも銅板でOKです。

 下部はコネクターに、上部は固定板に半田付けします、図や写真を参考にして下さい。

 次はコイルです、マッチング部分から始めますここは1.2mmの銅線を巻きます、22回巻きました。

 給電の最適ポイントが下から4回目だったので巻数は3倍の12回程度でも良いと思います。

 この部分が最も電流の多い所ですが、最適ポイントの3倍点はインピーダンスも9倍になるので電流も1/9となります、ですからこれより先は細い線でも十分です。

 次は0.8mmの銅線(UEW)を巻けるだけ巻きますスペースが8cmなので92回巻けました。

 巻き終わったらほぐれないように、エポキシ系接着剤で一部仮止めします。

先端(ハット)

21MHzの調整

SWR図

 初めにホイップアンテナにデイップメーターを近付け共振ポイントを探します、ここは単にデイップ点を探します。

 机の上で仮調整して最終的に「使う車」で完全に調整して下さい。

 このアンテナはあまり他の物に影響されませんから車から1m程度の距離に何も無ければ調整可能です(駐車場でOKです)。

 21MHzに合っていれば良いのですが、作った時にはかなり離れていると思います。
 もし、共振周波数が低い場合はコイルをほぐして共振周波数を上げ、高い時はCHを大きくします。
 ここはかなりラフでOK、後で調整可能ですから周波数を[20.5-21MHz]に合わせて下さい。

 次ぎにCH部分を少しカットして共振点を上げて21.3MHz にします。

 これでほぼ出来ました、防水と補強の為にエポキシ樹脂接着剤を調整部分を除く全体に塗ってやります。
 ここはゆっくり固まる6時間程度の物がFBに仕上がります。

 接着剤を付けて完全に乾かすと共振周波数が幾分下がります、下がった分CHをやすり等で削って周波数を21.2MHzに合わせて終了です。
 国内EスポQSOなら21.150-250MHz(SWR=2以下)なので十分使えます。

 もし、周波数をずらしたい場合はCHで周波数は変更出来るので、始め共振周波数を24.45MHzとしCHを少し大きくするべろみたいなものを付け、その大きさをネジで調整可能にしておけば周波数を下げることが出来ます。

18MHzの調整

SWR図

 初め予定していなかったのですが、CHを付けると共振点が大きく変わることが分かりました。

 テストするとSWRも下がった状態で、18MHzもCHを大きくしただけで合いました、18MHz用アダプターとして銅板(又はアルミ板)を上に乗せてビス止めするだけです。

   ☆   ☆   ☆   ☆

 調子に乗って、14MHzはどうか試みたらSWR1.25と最適マッチングポイントが少しずれました。

 それとSWRのカバー範囲が狭い(SWR3=70KHz)ので新たに作る方が良いと考え、今回は21と18MHzの2バンド用としました。

出来上がって

完成

 このアンテナで21MHzをワッチすると「信号がかなり下がっている」のに気が付きます。

 1.2m長のアンテナと比較すると10dB以上下がっています、Sメーターの振れは悪いのですが強い局とはそれでもQSO出来ました。

 EスポではSメーターを振って届きますので強い局とはこのアンテナで十分QSO可能です。

 非常に短いアンテナですから、走行しながら使っても問題ありません、バンドワッチ用アンテナとして使えます、
 いざというときには長いアンテナと交換してQSOするのがスマートな使い方でしょう。

 下の板ですがあまり共振点に影響しない様なので付けなくても作動します、いつも使う車で調整して使って下さい。

 あなたのアンテナ・コレクションにこのアンテナも入れて下さい。
      FB DX 73

材料表
材 料詳細数量
釣竿グラスファイバー製 14mmx20cm一部
銅線10mmφ- 1m(エレメント)4本
銅線0.8mm UEW or PEW1m
銅板0.8x100x150mm1枚
燐青銅0.5x50x120mm(銅板も可)1枚
タップビス3x6mm2個
コネクターMP-101個

99/3/10変換  


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