このアンテナはダイポールアンテナの変形で以前から、小形に出来るので作って見たいと思っていました。
以前 50MHzで作ったので、そのアンテナをスケールアップして見ました、1.7m角ですからあまり大きくなりません。
材料は手持ちの物を利用していますので特殊な物は使っていません、再現性は良いと思いますのでぜひ作って15mバンドを楽しんで下さい。
アンテナ調整を兼ねて近くの丘の上から運用して見ました、ダイポールアンテナと同じ感じでQSO出来ましたので「小形で有る」と言う特徴も有りますから、場所の無い方に「おすすめ」のアンテナです。
◎ここで使った絵や図はクリックするとコメントが出ます、マウスを接近させた時ヒント表示の他に下のバーにも表示させて見ました、試しにこの文字の上にマウス矢印を乗せて下さい。(MSのIE 4.0は作動、Netscape 4.5では作動しない)
アンテナの特徴
このアンテナはダイポールを変形して使っています、普通ダイポールのインピーダンスは73Ωですから折り曲げているので、これより下がる事が予想されます。
パソコンソフトで50MHz の計算をした時かなり抵抗分が下っていたので、今回も同じ様に下がると思いパソコンで下調べをしました。
利得は -0.9dBdで普通のダイポールよりも幾分下がり、ビームパターンは 50MHz同様小判形になっています、サイドの切れは有りません。
アンテナを立てにすると利得は更に-1dB下がります、こちらのビームは8の字です。
抵抗分は「8Ω前後」と出て来たのですが下がり過ぎの感じです、一応このDATAを元にアンテナ作りをスタートする事にしました。
材料表 材 料 詳細 数量 アルミパイプ 25mmφ1.7m 1本 アルミパイプ 16mmφ 820mm 2本 アルミパイプ 16mmφ 770mm 2本 アルミ 線 3mm φ 500mm 1本 銅線 1.2mm 5m 水道管 VP-25 400mm 水道管 VP-16 360mm 水道管 VP-16 360mm 圧着端子 銅線用 4個 圧着端子 アルミ線用、バラン用 4個 タップビス 1:1 1個 バラン TV用(クロス金具) 1個 エレメントクランプ 5D-2V 2個 マストクランプ (クロスマウント) MC-70 1個 50MHz の場合も計算よりかなりインピーダンスは上がったので「多分今度も上がるだろう」と予測をしていました( 結果は26Ωと3倍も狂っていました、と言うよりもずれてしまったのです)。
始めは1.8m角で作って見ました、 この時の共振周波数がなんと19.6MHz と下がっています。
周波数と寸法から1.7m角程度で良いだろうと見当を付け、2度目の調整をした所わずかな調整で目的の21.2MHz に共振点を合わせる事が出来ました。
パソコンと実際の寸法が違うのはマッチングを取るのにリアクタンスをいじって合わせようとした為に違ってしまったのだと思っています。
この部分も含めて計算をさせればもっと正確になる物と思われます、少し手を抜きました。
マッチング方法
50MHz 同様マッチングは「Lマッチ」でこの部分が意外と大きくなったので寸法が変わってしまったのです。
当初の抵抗分が予測よりも多くなりましたのでマッチング部分も大きくなりました。マッチングは少しエレメントを小さく作り容量性のリアクタンスを生じさせ、それをコイルで補正し、合せて同軸ケーブルの50Ωに合わせる方法です。
コイルと言っても巻いてある物では無く [コの字形にした]アルミ線です。
材料とその加工方法
メインのエレメントは16mmのアルミパイプを使います、中央は水道管 VP-16を使い浮かせて使います、アルミパイプがちょうど水道管に入りこのコンビは便利です。
ブームは25mmのアルミパイプを使います、先端は電位が高いので水道管 VP-25を40mm使ってこの部分を保護しています。
ここはアルミパイプと10cm程オバーラップさせています。両脇は図の様に銅線で結線しています、先端は圧着端子を付けタップビスで固定しています (銅線の長さは端と端の間を 1.68mにする)。
エレメントはTV用のクロス金具(エレメントブラケット)でブームに固定します。
マッチング部分は園芸用のアルミ線 3mmを使いこれに圧着端子を付けて使います (圧着端子を締め付けるのは調整後です)。
写真ではマッチング部分が空中に浮いていますがバランの方に(ケーブル側)に付けて下さい。
材料はDIY(ホームセンター)のお店でほとんど手に入ると思います、これに 1:1のバランが必要です。
バランは自作の物を使いましたが市販の物でもOKです、ダイポール系なので必ずバランは付ける様にします。取り付け
マストにブームを付けるのにTV用の金具でも付かない事は有りませんが少しかわいそうです、ハムシヨップで売っている大きな物を使いましょう。
エレメントを取り付ける時銅線をピント張りますとFBですが水道管に負担が加わりますからあまり引っ張るとだめです。
たるまない程度の張りで使います、こうしないと水道管にストレスが加わり曲がってしまい、次第に共振点がずれてしまうかも知れません。
なを図には銅線を止める穴を 2cm間隔で3個づつ開けて有りますがこれは調整用の物です。
調 整
アンテナの調整は出来れば使う高さで調整する事が望ましい、でも取りあえず調整するには1/4波長以上に(3.5m)上げて調整します。
共振点は低くても(2m程度でも)分かりますがアンテナを少し高くすると共振点がかなり上がりますので4m以上で調整して下さい。
共振点は銅線の止め位置で変わります 21.2MHzになるように調整するとSSB用になりますがこの辺は各自好みのポイントに合わせます。
この調整で共振点が高すぎる場合、銅線部分を(1680mm)長くして下さい、又は少し太い線に変更すると下がります。
SWRはLマッチの大きさで変わります、図の大きさで既にかなり合っていると思われますが細かく合わせて [1.2]以下になれば合格としましょう。
前記の様に高さを変更するとSWRは変わって来ます、使う高さで調整する事が大事です。
抵抗分はアンテナを上げると下がる傾向が有りますので調整の参考にして下さい。使って見る
感じとしてはダイポールと同等の飛びです、ビームは小判形なのでどちらへ回してもあまり変わりませんから、アンテナを回転させる必要は有りません。
電波は水平編波なのでGP系の信号は弱くなります、垂直系のアンテナを使っている局も多いので別のアンテナが欲しい気がします。
逆に考えれば、GP系の局にこのアンテナは小形なのでおすすめの一つになりますね?
アンテナは地上高くすると飛びますので出来るだけ上げて下さい、全体として小形で軽いので手軽に使えると思うのですがいかがでしょう。
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