10m用 ヘリカルホイップ・アンテナの作り方 |
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このアンテナは10m FMグループで良く使われているアンテナで、ヘリカルから「HE−○○」の型番で知られています。
以前ハムフェアで部品を分けてもらったのですが、その時「説明文が無い」との事でしたが「何とか作れるだろう」と考え、持ち帰えりました。
しかしそのまま箱に入れたままになってしまったのです。10mバンドがローカルで流行って来たのでこのアンテナを作って見ることにしました。
オリジナルを思い出しながら作って見ると意外と性能もFBで使えそうです。早速車でロケーションの良い所へ行きアンテナを立てると直ぐに数局とQSO出来ました、始めて使った印象は「なかなかの優れもの!」でした。
材料表 材 料 詳 細 数量 塩化ビニールパイプ (外形22mm,内径18mm)
電気工事配管用650mm 銅テープ 5mm幅 テンドグラス用 6m 同軸ケーブル 3D-2V 30cm 同軸ケーブル 1.5D-2V(QEV) 1.5m 銅板 0.3mm 65X80mm コネクター MP-5 1個 基板 3X40mm 1枚 ビス 3X30mm 1個 ビス 3X10mm 1個 ビス 3X8mm 2個 スペーサー 3X30mm ナット式 1個 ラグ 3mm 1個 ワッシャー 3mm 2個
[ アンテナ材料 ] このアンテナは製作に特殊な材料が必要ですが構造的には簡単です。
アンテナ本体は写真の様に電気工事用の塩化ビニールパイプで、これはDIYで手に入ります。
水道管がねずみ色なのに対し黄色っぽく厚みが薄いので全体に軽く仕上がります。
コイルは「ステンドグラス用の銅テープ」でこれは特殊で専門店でないと手に入りません、渋谷の東急ハンズでも売っています。
共振周波数を合わせるのがロッドアンテナです、これは秋葉原で中古を探します。もし手に入らない場合銅パイプ(真鍮)を2段で使えば何とかなりそうです。
それに、マッチング用に同軸ケーブルを使いますが手持ちの1.5D-2V(QEV=耐熱用)を使いました。
小物として0.3mm 銅板、これは上部にかぶせて共振点を上げるのに使います。
ロッドアンテナとコイル間のスペースを取るのに使うスペーサーはナット式の物で中にネジが切つてある物を使います、これらはワッシャーを付けて取り付けます。
ワッシャーは同軸ケーブルのあみ線に接続し、コネクターの外側とつながっている。
MコネクターはMP-5を使いました、これら小物類は簡単に手に入ると思います。
この辺は図を(ボタンを押す)ご覧下さい。
[ 作り方 ] 塩ビパイプは電気工事配管用を使いました、ちょうど内径がMコネクターの外側に入るのでパイプをビスで止めます、ここはタップを使ってネジを切って置きます(タップビスでも良い)。
コネクター内側の山はやすりで削る、外側は半田付けします、この辺は図(ボタン)を参考にして加工して下さい。
予め半田付けする前に、同軸ケーブルを取り付けて置くのを忘れないで下さい。次に5mm幅の銅テープを1mmスペースで巻き付けます、約75-80 回程度になりますがここは手間どりますのでゆっくり作業して下さい、なをパイプの最後まで巻き付けておきます。
ロッドアンテナのスペーサーから10mmの所から銅テープを巻始めますが、この辺は寸法図や説明図をご覧下さい。
ロッドアンテナの振れ止めは調整後に取り付けます、始めはテープで間隔を取っておきます。最上部に銅板を丸めた物を被せますがこれは調整に使います。
最後にマッチング用の同軸ケーブルを半田付けして写真の様に巻き付けます、ここもテープで仮止めをしておきます。
[ 調整方法 ] A.SWR 計を付けて共振点を29.0 MHzに合わせます、これはSWR計でSWR曲線を作り表の様に共振点を求めます。ロッドアンテナの長さでも調整して合わせられます。
B.共振点が合ってもSWR は完全に下がっていないと思います、次にマッチング用の同軸ケーブルをカツトして行くとSWR を下げられます。
[1.3]以下になったら共振点が29.15MHz になる様にロッドアンテナの長さを調整します (この程度の調整ではSWR は変化しません)。
更に銅板の位置を修正したり、マッチング用のケーブルを切り詰めて[1] 近くまで合わせ込みます。C.マッチングが取れたらその位置が動かない様にロッドアンテナの振れ止めをテープから基板(プラススック) に変更します。
銅板とはエポキシ樹脂接着剤で付きます。
マッチング用ケーブルをしっかり止めなおしSWR をもう一度調整します。D.塩ビパイプは普通の接着剤では付きません、銅テープはそのままではすぐ錆だしますから水道用の接着剤を付けるか家庭用のラップで包むと(少し見苦しい)と保護出来ます。
E.10mFMバンド29.0-29.3MHzが、SWR 2.0でカバーしているので通常の使用は問題ありません。モービル同士やEスポでもこのまま実用的に使えます。
[ 完 成 ] 1/4波長(2.7m) の無短縮のアンテナと比較して見た所-3dBから-6dB程度で短いわりにはFBでした。
「10m FMグループで高い評価を得ている」このアンテナだけのことは確かにありました。
FMだけでなくSSBの方ものぞきたい場合はロッドアンテナを伸ばせばチューニング出来ます。作ったのはオリジナルの物を出来るだけ再現しましたが、マッチングに付いて次のように実験をしました、まだ少し改良の余地はあるようです。
[ 他のマッチング ] A.マッチング用の同軸ケーブルはCマッチとみなせるのでコンデンサーに置き換えて見ました。
その結果220PFでSWR が[1]まで下がりました、コンデンサーは耐圧の事を考えなければなりませんが製作上では簡単です、ぐるぐる巻き付ける手間が掛かりません。
B.容量が220PF から逆に純抵抗を求めると約10Ωになります、この程度なら「L マッチ」でも合うはずですから銅テープを張って合わせて見ました、こちらも10mm幅で130mm の長さでSWRが[1]まで下がりました(下の写真、ショートバーで合わせる)。
この方法が一番コスト的に安く出来ると思われます。ただマッチングの部分がぶら下がるので少し共振周波数は下がります、これはロッドアンテナを少し短くすれば調整可能です。
この方法は見てくれが良くありません、工夫が必要です。という事で、どの様な方法でもマッチングは取れれば良いので暇の時に試して下さい。
FBなアンテナなのでぜひ作って10m で運用しましょう。5-8 月に掛けてEスポで国内QSOが楽しめます。私のコールが聞こえてましたらよろしく!
PS.このアンテナはその後部品の入手が簡単な銅線を使った物で(10mホイップ・U)作っていますので、そちらもご覧下さい。